今回は、”「オーバーレイモデル(Overlay Model)」と「バグモデル(Bug Model)」 ~ 何事も徹底しない企業内教育 ~ ” というテーマで考えてみます。
学習者モデル(Learner Model)には、多くの研究者によって様々な考えや分類があります。

そんな中で、
「学習者の知識状態、スキル、学習進捗などを把握し、それに基づいて適切な指導やフィードバックを提供するためのモデル」
として、「オーバーレイモデル(Overlay Model)」と「バグモデル(Bug Model)」というモノがあります。
(オーバーレイモデル:Overlay Model)
学習者の知識状態を理想的な知識状態(エキスパートモデル)に対して重ね合わせる(オーバーレイする)アプローチ。
学習者がどの概念やスキルをどの程度習得しているかを示すために、エキスパートモデルと学習者モデルの間の ”差異を評価”する。
・目的
学習者がどの概念やスキルをどの程度習得しているかを評価し、指導の焦点を決定する。
・特徴
学習者の知識状態をエキスパートモデルと比較し、ギャップを特定する。
(メリット)
簡単に実装でき、学習者の進捗を明確に把握できる。
・シンプルさ
モデルが比較的シンプルで理解しやすく、実装も容易。
・直感的なフィードバック
理想的な知識状態と学習者の状態を比較するため、学習者がどの分野で不足しているかを直感的に理解しやすい。
・進捗の可視化
学習者の進捗を明確に可視化できるため、学習のモチベーションを維持しやすい。
(デメリット)
・詳細な誤りの特定が困難
学習者がどのような誤解や誤りを持っているかの詳細な分析には向かないため、特定の誤りに対する具体的なフィードバックが難しい。
・適応性の限界
学習者の個々の誤りや特定の学習パターンに対して柔軟に対応するのが難しい場合がある。
(バグモデル:Bug Model)
学習者が犯す誤り(バグ)に焦点を当てるアプローチ。
学習者が特定の誤解や誤りをどのようにして犯すかを分析し、それに基づいてフィードバックや指導を提供する。
・目的
学習者が犯す誤りを特定し、その誤りを修正するための指導を行う。
・特徴
学習者の誤りパターンを分析し、誤解や誤りの原因を明らかにする。
(メリット)
誤りに対する具体的なフィードバックを提供でき、誤解の修正に役立つ。
・詳細な誤りの特定
学習者が犯す具体的な誤りを詳細に特定でき、誤解や誤りの原因を明確にすることができる。
・個別化されたフィードバック
学習者の誤りに対して具体的で個別化されたフィードバックを提供できるため、効果的な学習支援が可能。
・誤解の修正
特定の誤解や誤りを修正するための指導が行えるため、学習者の理解を深めやすい。
(デメリット)
・複雑さ
誤りの特定と分析には高度な知識と技術が必要であり、モデルの構築や運用が複雑になることがある。
・コストとリソース
詳細な誤り分析には多くのデータとリソースが必要となり、コストがかかる可能性がある。
・誤りの網羅性の課題
すべての可能な誤りを網羅することは難しく、特定の誤りに対してのみ有効である場合がある。
” シンプルな差異と進捗の可視化 ” を行う「オーバーレイモデル」
と、
” 詳細な誤り特定と個別化されたフィードバック ” する「バグモデル」
は、共に ” データ化しやすい ” ため 「CAI(Computer Aided Instruction)」の周辺から出てきた考えだと思います。
このようなモデルにより「学習者モデル」というか、特徴、コンピテンシー(学習・知識部分)を分析することは「教育・学習」において非常に有効ですね?
特に、学校教育においては、「教える側」の人間は、こういったデータを元にした取り組みを必ず行うべきです。
ところが、これが「企業内教育」では、” 中途半端に ” このような分析を行うことが、有効ではなく、逆に「誤解」を生む結果になることもあります。
これまで何度か記した「コンピテンシーの特定事案」等です。
実際に、” 中途半端に ”「コンピテンシーの特定」、を行っている企業が非常に多いのが現状です。
” 徹底して ” 行えば、非常に有用なモノも、” 中途半端に ” 行えば、害になってしまいます(勿論、「コンピテンシー特定」については、性格や人柄などの評価できないモノを無理やり曖昧に評価するのではなく、知識・スキルといった確実に評価できるモノについて ”徹底する ”ということです)。
日本において「企業内教育」のレベルが非常に低い原因には、
・経営者の教育・学習への意識の低さ
・教育担当者の「教育・学習」知識・スキルの無さ
が大部分を占めますが、
折角初めても、何事も ” 中途半端に ” 行って、” 徹底しない ” という日本人特有の意識・行動にもあるようにも思うのです・・・・
たまにカリスマ経営者の自叙伝などを読んで、「中庸」を常に心がけている、、、と自慢げに言う人に出会いますが、、、、、