louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

教育界における、「内発的動機づけ“神話”の崩壊」について(3)

熊大でも推奨(?)している ARCSモデル(「注意喚起(Attention)」「関連性(Relevance)」「自信(Confidence)」「満足感(Satisfaction)」)も内発的動機づけ、超有名大学のMOOCs (Massive Open Online Course)も内発的動機づけのモデルと言えますね、、。

 

残念ながら、どちらも成功しているとは思えないです。

 

そこで、

企業内教育においては、「外発的動機づけ」がまずは必要です。

たとえ、半強制的な教育デザインであっても、ベネフィットやリスク回避があれば、学習は進むという説を(内発的動機づけが不要ということではない)私は推奨します!

 

・「学習の動機づけ」: 「内発的動機づけ」一辺倒の教育よりも、まずは「外発的動機づけ」を「取り入れ動機づけ」や「同一化動機づけ」に内面化させていくことが必要
(速水俊彦,2019)

・「エンハンシング効果(enhancing)」: 外発的動機付けによって内発的動機付けが高まり、モチベーションが上がる効果(Elizabeth Hurlock,1925)

 

企業内教育の意義を考えると、学習者の内的な楽しさ、満足感、自己効力感も、大事なことです。しかし、何のために「教育」「学習」を行っているか? を考えて下さい!
学習者に好かれるためですか?(人気者になりたい?)嫌われないためですか?(社内政治的なことは知りませんが・・・・)


学習者の「知識」や「スキル」を向上させることですよね?

 

そこで、重要なことは、下記のようになります。

企業内教育のモチベーションマネージメント

まずは、「外発的動機づけ」によって実施し、次第に「内発的動機づけ」を誘導するということ。

これがアカデミアも企業の教育担当もわかっていない状況です。

 

こういうことを言うと、「学習の成果で給料を上げるのは間違いだ?」だとか「外発的動機付けだけでは次第にやらなくなる」とか、、、多くの人が言い出します。

 

本当でしょうか? 企業において学習は仕事なのですから、そこでいい成績を出せば評価されて当たり前ですよね?

 

企業の人事(ひとごと)部や教育担当部門で、上記のことが理解できる人がほとんどいないこの国においては、こういうことを語るのはごく少数派だと思います。

 

しかし、企業でちゃんと学習させようと考えれば、まずは「アメ」をあげないと誰がやります? なんのベネフィットもないから、企業での研修や垂れ流しのe-Learningは成果を出せないのです(これが真実!)。

 

ある会社のオーナーがこんなことを言っています。

「会社の経営が厳しい時、社員の給料を下げれば会社は潰れる。社員の給料は毎年上げていかないと社員は働く気がなくなる。役員の報酬をまずは削減する」

 

こういう人は心理学的な知識が無くても、モチベーションについてアカデミアの先生たちより深く理解しているのだと思います。