ネットのニュースを眺めていて、
「睡眠は十分にとりますよ! そうしなければ ”マルチタスク” で脳を働かせることができません!」
という、意味不明の記事が目にとまりました。
どっかのIT社長さんらしいのですが、まぁ、ノリにノッていて、楽しそうです。
よくいますよね、、こういう人!
いやいや、人間の脳で「マルチタスク」など不可能ですから、、、というお話です。
神経学的に、人間の脳は「マルチタスク」は不可能で、一度に複数のことに注意を向けることはできません。
一般に,
「マルチタスク」ができているという”思い込み”は、
単なる「タスク・スイッチング」に他なりません。
つまり、脳は瞬時にタスクを切り替えているだけのことで、決して同時に処理をしているのではないのです。
そして、このことは「継続的な注意力の断片化」を生み、年齢にかかわらず、記憶力も注意力も低下するということです。
なのに、なぜそのIT社長さんのように「マルチタスク」ができるかのように自慢したがる人が多いか?
会社でもよくいます。営業のリーダーなんかで、
「アレとコレとソレを同時にやるんだよ!」
「マルチタスクが生産性向上のキモだ!」
なんて言ってる人が、、、、
多分、自分では「マルチタスク」ができている(&できる)と”思い込んで”いるんですね、、、
結局、そういう人の仕事は、どれもがいい加減で中途半端なものになっている場合がほとんどです。
そして、「思い込み」は、学習にとっても大きな敵です。
「そんな簡単なこと、わかってる!」
「もう完璧に理解した!」
「キミにはできないだろうけど、僕にはできる!」
なんていう「思い込み」は、それ以降の学習を妨げます。
ということで、人間の学習にとっては「集中」が最も大事です。
とはいっても、チクセントミハイのいう「フロー」な状態になるなんてことはそうそうできません。
しかし、「人間にはマルチタスクはできない」と意識することで、無駄な時間を少なくすることはできますし、「今、自分にとって最も大切なこと」、「優先順位をつける」ことは、「集中」への近道になります。
要は、「タスク・スイッチング」をなるべく少なくすることです。
仕事においては、すべてそういう風にできないことも多いでしょうが、学習する時には、できないこともないでしょう?
では最後に、「バイタル・フューの法則」を紹介して終わります。
質の高い仕事をする鍵は、
「些末な多数(トリビアル・メニュー)」
と、
「ごくわずかな重要なもの(バイタル・フュー)」
を区別し、バイタル・フューに集中することです。