企業内の研修で、もっともよくやられているのが、「ロープレ」でしょう?
「ロープレ」については、まぁ、やらないとダメなんだろうなぁ~とは思います。
4C/IDモデルなんかでも、スキーマ取得のために必須ですし、正統派(?)の考え方としては、まず、知識を習得して、「ロープレ」をやるというのは全く間違っていないです。
ただ、いつも考えるのは、顧客との面談や打ち合わせで、「ロープレ」のようなストーリー的展開がいつも起こるんだろうか? ということです。
「ロープレ」は大体において、”ストーリー主体”で、有名なところでは、「Professional Selling Skills」みたいな手順をきめたやり方があります。
もう何十年も前のテクニックをいまだにやっているというのも、なんかマヌケな感じがしますが、、、、
そこで、今日のテーマである「Elevator pitch」です!
「Elevator pitch」
・15~30秒というエレベーターに乗っているほどの短い時間に、自分自身やビジネスについてアピールする手法のこと。
・短時間のプレゼンゆえに、伝える内容や順番を整理し、簡潔にわかりやすく話す必要がある。
・営業活動だけでなく、自己アピールなどにも活用できるスキル。
元々、この手法が考えられたのはシリコンバレーらしいのですが、いかにもって感じです。
ところが、これが ”コンサルによる商売” になると、
1.問題提起で共感を呼びテーマを伝える
2.解決策の掲示によって心をつかむ
3.相手にとってのメリットを伝える
とか、
1.Goal
2.Target
3.Contact
といったように、まるで、「Professional Selling Skills」の
①オープニング
②プロービング
③サポーティング
④クロージング
みたいになってしまいます。
いや、たった15秒や30秒でそんなの無理でしょう?
と思うのです。
そんなルールやポイントはどうでもよくて、”たった一言でもいいから”、相手にとって ”意味のある言葉” を発せられるかどうか、が大事なわけです。
例えば、
「息子さんのご入学おめでとうございます!」
でもいいし、
「スマートウォッチ買いました!」
でもいいのです、、、、というのは言い過ぎですが、、、
「Elevator pitch」は対象(相手)の想定が重要だということです。
一般的な、、、ということはあまり意味がありません。
何せ、話せるのはたったの数十秒なんですから。
そして、「Elevator pitch」の事前には、「知識」、それも「実践に即した原則的な知識」が必要です。
この「実践に即した原則的な知識」は、「PPK」とか呼ばれたりします。
「PPK」:Principled Practical Knowledge
Bereiter のいうPPKは、「どうすればいいのか(know-how)」だけでなく,「なぜそうするのか(know-why)」の特徴を持ち合わせた知識です。
こういうのは、優秀な営業なんかが持ち合わせているコンピテンシーとか機転のようなものですね?
相手が、今は自分の会社の製品に興味がないとわかっていれば、偶然廊下で会った時に製品の話をしてもムダです。
それなら、趣味のことや、相手が興味のあることでこちらを認知させるという風なことが瞬時にできるようになるかどうか、、、ということです。
日本企業の多くは、「Elevator pitch」ではなくて、「ロープレ」を重視します。
勿論、評価が難しいということもありますが、「実践に即した」ってことが考えられないことと、社員の中で比べる、順位をつけるといった学校教育を引きずっていることが原因じゃないかと思っていますが、、、どうでしょう?
私的には、デザインされた「Elevator pitch」が効果があるように感じています。