louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「PISA(Programme for International Student Assessment)ではトップクラスだけれど」 ~ 真実は何処にある ~

今回は、PISA(Programme for International Student Assessment)ではトップクラスだけれど」というテーマで考えてみます。


世界的な教育の動向というと、よくOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)” で決められたことが基準で、、、みたいに語られることが多いのですが、その中でも学力を各国で比較し順位付けするPISAというのがあります。


PISA:Programme for International Student Assessment)


OECDが進めているPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査。

15歳児を対象に「読解リテラシー」、「数学的リテラシー」、「科学的リテラシー」の三分野について、3年ごとに本調査を実施。

生徒の解答状況により自動的に難易度の異なる出題をする「多段階適応型テスト」を導入。

81か国・地域から約69万人が参加。日本では、全国の高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生のうち、国際的な規定に基づき抽出された183校、約6000人が調査に参加(2022年6月から8月に実施)。


ということです。

PISA OECD

最新の2022年の結果としては、


(数学的リテラシー

1. シンガポール
2. マカオ
3. 台湾
4. 香港
5. 日本


(読解力)

1. シンガポール
2. アイルランド
3. 日本
4. 韓国
5. 台湾


(科学的リテラシー

1. シンガポール
2. 日本
3. マカオ
4. 台湾
5. 韓国


この順位をどうとらえるか? というと、


「3分野でベスト5に入っているのだから、凄い!」

「日本はやはり先進国だ!」

「素晴らしい科学者や研究者がこれからどんどん出てくる!」


などと考える人もいます。

まぁ、確かに優秀な人は沢山いるでしょうし、「日本凄い!」のかもしれません。


しかし、問題なのは、この成績のデータが、


”全国の高等学校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生のうち、国際的な規定に基づき抽出された183校、約6000人が調査に参加。”


という点です。

 

約50万人いる15歳のうちの6千人というと” 約1割 ” 、、、ですね。


また、” 国際的な規定に基づき抽出された183校 ” というのがどこなのかは知りませんが、まぁ、進学校であることは間違いないでしょうね?


勿論、上位にいるシンガポール台湾韓国マカオなども同じような生徒が受けているとは思います。


正直なところ、国が違ってもトップレベルの層の学力に大した違いなどないと思います。

 

それを、3年ごとに調査して、上がった、下がった、、、と一喜一憂しているのが現実です。

 

以前は例のフィンランドがトップクラスにいて、フィンランドの教育は素晴らしい」などというブームが起きたこともあります(因みに、現在のフィンランドは10位前後ですね、、、)。


こんな調査に何の意味も意義も無い、、、


ということが結論です。


OECDが、正しい教育や学習を引っ張っていってくれるのであれば、それはそれでいいことなのですが、所詮は経済協力開発機構ですから、

 

なんとなく、日本における経団連が政府に大学教育の提案を出す(即戦力・理工系人材の育成)」みたいな構図がイメージされてしまいます。


OECDの教育関連の本も何冊か読みましたが、どの内容も、

なんだかなぁ~

という感想です。