今回は、「 Landamatics Instructional Design(ランダ方式)」について考えてみます。
「ランダ方式」についてはほとんど知識がないので、文章を書きながら勉強していきます、、、、備忘録です。
(Landamatics Instructional Design(ランダ方式))
「高次の思考力」をどのように教えるかというのがLev N. Landaにより提唱されているLandamatics Instructional Design(ランダ方式)。
ランダ方式においては、「考え方」を習得するための「方法」として、2点が挙げられている。
(1)問題を解決したり、タスクを実行するための一連の活動(活動のシステムとしての方法(Ma))
(2)実行される行動を導くための指示(指導のシステムとしての方法(Mp))
新しい問題を解いたり、新しいタスクを実行したりするための方法を探すさい、まずはじめにMaを発見し、それをMpに変換すると考えられている。
「目的のある明確な教授方法」を通して、「一般な定義、概念、考えるプロセスを形成」し、「考える方法(MaもMpも)を身に着ける」アプローチとして開発された。
<ランダ方式のプロセス(「ストラテジ 1(導かれた発見)」)>
1)生徒が独自に課題の概念を発見する
2)課題にその概念を表す名前をつける
3)論理的に正しい概念の定義を組み立てる
4)概念を適用するため知的システム(Ma)に関する独自の発見
5)発見方法(Mp)の形成
6)練習、方法の適用に関する学習
7)方法の指導(Mp)の内化
8)方法の働き(Ma)の自動化とそれの完璧なマスターを保証する
4)から8)が「ランダ方式」に特有のもので、「指導目標」と「それに対する活動」が示されている。
4)概念を適用するため知的システム(Ma)に関する独自の発見
指導目標4:
定義された類型に所属するかしないかを判断するタスクを行うことで、生徒が組み立てた概念、その定義を含む心の中の活動(Ma)を発見させ、気づかせる。
教育的活動:
生徒に決定させるためには楕円であっても、円であっても定義を確認するために頭の中で何をすべきかを聞く。例えば完全な円の定義にあっているかどうかなどをチェックする。
5)発見方法(Mp)の形成
指導目標5:
生徒に指導のシステム(Mp)に対応した明確な形式化をさせる
教育的活動:
(1)判断の詳細な方法を形式化させることについて聞く。
(2)もし生徒が方法を正しく形式化すれば、次の指導目標に進むことができる。違えば気づかせるために活動の方法(Mp)をどのように形成するかをいくつかの方法を実施させることで説明する。
6)練習、方法の適用に関する学習
指導目標6:
形式化された方法(Mp)を適用する練習を行わせる
教育的活動:
(1)生徒に今から行われるタスクが、気づくために形式化された方法を適用する練習をするためにあるということを教える。
(2)生徒に区別させる。
(3)step-by-stepでその方法を使うべきであることを説明。はじめの指示を見て言われていることをする、そして次の指示を見て行うなど。
7)方法の指導(Mp)の内化
指導目標7:
特別な練習によって方法を内化させる、そして、完全にマスターさせる
教育的活動:
(1)生徒にもう黒板での指導(教示)は必要ないこと、生徒たちで置き換えることができることを教える。
(2)黒板上のインストラクションを消し、生徒に例を見せることを言う。黒板上のインストラクションの代わりに、彼ら自身のインストラクションで決めさせることを伝える。
8)方法の働き(Ma)の自動化とそれの完璧なマスターを保証する。
指導目標8:
方法の知的操作に関する効果的自動化
教育的活動:
(1)生徒にさらに自己インストラクションでさえも必要ではないこと、それは彼らが課題の認識にはどうすればよいかをすでに知っているからだということを伝える。
(2)彼らが課題の内容を認知する最後の組み合わせを見せる。自己インストラクションなしにできるだけ早く見つけるように言う。生徒は課題を簡単にやり、早く結論を見つけることができる。
<その他のストラテジ>
完全な時間が無いときにはストラテジ2(解説教授)を用いる。ストラテジ2においては、上記の例で言えば、生徒にコンセプトを発見させることのかわりに、教師がその定義づけをし、すべて知識を整理した形で(適切な絵と練習をもって)生徒に教える。
ランダ方式をより確実なものとするために、両者を組み合わせたストラテジ3(混合ストラテジ)も存在する。これはどのトピックをどちらのストラテジによって教えるかは与えられた時間の中で、教師の目的、各方法に関連する利益によって決定される。
ランダ方式のメリットとデメリットは以下の通りです。
(メリット)
・自己調整学習
学習者が自身の学習過程を認識し、自己評価する能力を養います。これにより、自己調整学習のスキルが向上。
・問題解決能力の向上
学習者は特定の問題解決スキルだけでなく、それらをどのように適用するかについても学ぶ。様々な状況で問題解決能力を適用することができる。
・知識の定着
構造化された練習を通じて、学習者は新たな知識を定着させ、それを他の状況に適用することができる。
(デメリット)
・時間とリソース
学習者が自己調整学習のスキルを養うためには、時間とリソースを必要とする。時間やリソースが限られている場合、この方法を適用するのは困難かもしれない。
・個々の学習者への対応
学習者一人ひとりの学習過程に対応することを重視していますが、大人数のクラスでは個々の学習者への対応が難しい。
・自己調整スキルの必要性
学習者が自己調整学習のスキルを持っていることを前提としている。しかし、すべての学習者が自己調整学習のスキルを持っているわけではないため、一部の学習者にとっては難しい。
ということのようです(結構難しいですね?)。
「考え方」を習得するための「方法」としては、まぁ、こうなるだろうなぁという感じですが、
「自己調整」
「認知的方略」
「足場かけ」
「ジャスト・イン・タイム」
「発見学習」
「探索学習」
様々な要素が含まれています。
一般の学校や企業内教育ではなかなか難しいですが、ごく一部の「高度な」学習者を対象とした方略としては、こういうやり方もありかもしれません。
例えば、大学3,4年の専門課程、大学院などでは非常に効果的なような気もしますが、当然のように様々な周辺知識、前提知識がないと簡単にドロップアウトしてしまいますね、、、、。
一般的な方略というよりは、最も高次の思考力(Highest-order thinking skills)育成を目的とした、最近話題の「オルタナティブ教育」の一種として認識されるモノのようにも思います。