louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

”「新卒コンサルタントブーム」と「育成」” について

以前、”「コンサルタントという体裁」にお金を捨てる愚かさ” について記しました。

個人的には、コンサルタントという企業も職業も、”不要” だと考えています。


とはいえ、現実には、高度な経営戦略等の分野などでコンサルタントが有効に働き、企業継続が可能になったなどという話も多々あります(主にアメリカでの話ですが、、、)。


殆どのコンサルタント企業」は毎年売り上げを伸ばしています。そんな世の中の流れの中で、有名大学を卒業していきなり「コンサルタント企業」に就職することが一つの ” ブーム ” となっていますね?


ということで、今回は ”「新卒コンサルタントブーム」と「育成」” について考えてみます。

新卒コンサルタントブーム

まず、なぜコンサルタント企業」が伸びているか? と考えてみると、実は「生成AI」がトレンドになったことが大きな要因ではないのかと思っています。

 

普通に考えると、


「生成AI」があれば、逆に「コンサルタント」なんて要らないのではないか?

 

となります。


しかし、いま世に出ている「生成AI」「AI」レベルは低く(特定の分野ではレベルは高いですが)、とてもではないですが  ” 専門的  ” な機能の代替にはなりえません。


多くの企業は「経営戦略」「DX」「AI」などの分野で、まずは「生成AI」なり「AI」とされるモノを使ってみます。

そして、

「使いものにならない・・・・」

ことを知ります。


そうなると、経営層がまず考えるのが、


「やはり、コンサルを入れて・・・」


ということです。


経営層の殆どは  ” ビジネス書 ” の絶大な収集家(?)ですから、マッ〇ンゼーボス〇ンP〇C、アクセ〇チュアデロ〇トなんかのOBが自慢げに書いた” ビジネス書  ” の内容を真に受けて「コンサル崇拝」しているからです。


とはいえ、コンサルタント企業」に依頼できるのは大企業だけですね?

大手のコンサルなら、一人月 300万円~、、、なんてことになりますから。


とにかく、コンサルタント企業」は需要が増大しており、一般企業では考えられないくらいの高額初任給で「新卒」を採用する ” ブーム ” が来たわけです。


これまでの新卒の人気企業と言えば、メーカー、商社、メディアなどであったと思いますが、

 

” 40年以上も初任給が上がらない国内企業 ”

 

と、外資を比べてしまうと、外資に就職したいと考えるのは当たり前です。

 

因みに、私が38年前新卒(学卒)で入社した国内大手コンピュータメーカーの初任給は、20万円ちょっとでした・・・・

 

それに、コンサルタント企業」が新卒を採用するのは当たり前ですし、知識や経験、スキルを積み重ねて優秀なビジネスマンになるのでしょう、、、


(新卒でコンサルタント会社に入社するメリット)

・初任給が高い
スキルアップができる
・一般的な事業会社ではできない経験ができる
・実力次第で年収アップ・昇格が見込める
コンサルティング業界の文化に馴染める
・自信を身につけることができる
・培った自分の強みを転職先で活かせる


みたいなことが拡散され、この ” ブーム ”  が到来したわけですね?

 

ところが、大きな問題は、特に外資大手コンサルタント企業」は企業として、「育成」というモノを、ほとんどやらないできないやっている暇がない、ということです。


数か月前までは学生で、全く別の分野を学んでいた有名大学の新人を、いきなり現場に投入して、担当を任せます。

 

「〇×大出て、賢いんだから、「問題解決」、「調整」、「コンサル」などできて当たり前でしょ?」

 

という風潮です。

まぁ、風潮というより、これが外資」「コンサル」の文化だと思います。


これまで、数社の大手外資系コンサル企業の20人以上のコンサルタントと一緒に仕事、プロジェクトを担当しましたが、1/3は「新卒1.2年」の人たちでした。

 

担当している企業の業務内容も何も知らず、組織の仕組みも知らず、何か役に立つ特別なスキルも、、、何もないイワユル ” 新人 ” が「コンサル」としてやってきます(一人月 300万円で)。


個人主義、個人の能力」外資の基本でしょうし、確かに特別優秀な人も極たまにはいます。

 

しかし、海外ではどうかわかりませんが、「新卒コンサルタント」をいきなり現場に出して「育成」するというのは、日本の文化として受け入れられない部分が大きいと思うのです(多分、海外ではそんなことはやっていない気がするのです)。


何も考えない経営層は、「コンサルを入れてよかった・・・」という結論があるのでしょうが、現場で彼らと係わる人たちは、

「コンサルなど無用」

「あまりにも無知で、使えないコンサルばかり」

という認識になるでしょう。


海外では使えない人はすぐにクビにできるのでしょうが、現状の日本の外資ではなかなか文化的にそういうことにはならないんだと思いますが、そうなる日も近い気がします。


元々、コンサルタント不要論者」の私ですから、コンサルタント企業」など無くていいと思っていますが、それと希望(?)をもって入社した若い人たちとは別の話です。

 

今のような「新卒コンサルタントブーム」がしばらく続くとしたら、やがて路頭に迷う人たちが多く出てくるように思うのです。


日本の場合、どういった会社であっても、まともな「企業内教育」を行っているところは非常に少ないですが、外資コンサルタント企業」の「教育」「育成」の状況は最悪だと思うのです。


机上の空論であるフェルミ推定なんかを入社試験に採用するような無意味なことをやめて、


何を大学で専門的に学んだのか? 

大学で学んだ専門知識が仕事にいかせるレベルのものなのか?


を判断し、その上で、「人材育成」、「教育」の制度を整えるべきです。


そうしないと、「AI」がもう少しだけでも進化したら、間違いなく日本においてコンサルタント企業」というものは完全に姿を消すでしょう、、、、。