louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「ワールドカフェ(World Cafe)に集う人々」 ~ 多様性の逆張り ~

今回は、「ワールドカフェ(World Cafe)に集う人々 ~ 多様性の逆張り ~」というテーマで考えてみます。


企業の研修や学校のアクティブラーニングの中で ” ワールドカフェ ”  をやったことがある人も多くいるでしょう?

ワールドカフェ

(ワールドカフェ)

 

・カフェのようなリラックスした雰囲気で少人数による対話を行うこと。

・決まった結論を得たり問題の解決を図ったりする目的ではなく、参加者全員が自由に意見を交わしてお互いの理解を深め、新たな気づきやアイデアを得ることを目的とする。

・少人数で対話をすることで、相手の意見を聞きやすく、自分の意見も言いやすいのが特徴。


(ワールドカフェの手順)


1.テーマについての探求

4~5名の少人数グループに分かれる。少人数にすることで、自分の意見を言いやすく、相手の意見を聞きやすい雰囲気づくり。

テーブルに模造紙とペンを用意し、発表された1つのテーマについて、模造紙に自由にメモをしながら話し合う。


2.アイデアのやりとり

自由に他のテーブルに移動。その際テーブルには、テーブルホストとなった人だけが残り、他のメンバーは第一ラウンドとかぶらないよう他のテーブルに移動する。

それぞれのテーブルに残ったテーブルホストは、新しいメンバーを迎えて簡単な自己紹介をした後、そのテーブルで話し合われた内容を説明し、その後同じテーマについて話し合いを続ける。


3.気付きや発見の統合

他のテーブルに散ったメンバーが最初のテーブルに戻り、移動先で話し合った内容や得た情報などとともに、さまざまな意見やアイデアを出し合う。


4.全体セッション

全体セッションでは参加者全体での話し合いの場をつくり、それまでに出てきたアイデアや意見を全員で共有。くつろいだ雰囲気の中、さまざまなアイデアや意見に出会うことができる。


(ワールドカフェを行う意義 ー 企業研修等でよくある事例)


・コミュニケーション能力の向上

一人一人が意見を述べ、議論する形式であるため、コミュニケーション能力を向上させる効果がある。他者の意見を尊重し、理解するためのリスニングスキルも鍛えられる。


・チームワークの強化

小グループでのディスカッションが基本。コラボレーション能力やチームワークを強化することが可能。


・多角的な視点の醸成

テーブルごとに異なる視点や意見が出される。参加者は多角的な視点を持つことを学ぶ。問題解決や意思決定の際に非常に有効。


・社員のエンゲージメント向上

参加者全員がアクティブに参加する形式であるため、社員のエンゲージメントを向上させることができる。


・組織風土の改善

オープンな意見交換を促進し、ダイバーシティを尊重する場となる。組織内での意見の表現が容易になり、組織風土の改善につながる可能性がある。

 

ということです。


研修が10あれば、その中で最低2,3の研修では、こういった風な ” ワールドカフェ ” が取り入れられているのではないでしょうか?


さて、コレに

 

わざわざ時間を取って行う意味があるでしょうか?


一日の研修の場合だと、研修を行う時間は実質4~6時間でしょうから、参加者の数にもよりますが ” ワールドカフェ ” を行うとすれば最低でも1時間は必要でしょう?

「コミュニケーション能力開発研修」?

 

くらいなら、” ワールドカフェ ” ” ジグソー法 ” も少しは効果があるようにも思います。


しかし、

 

”専門的な知識・スキルを習得するための研修などではどうでしょう?”

”部署やクラス、チームの団結力を高めるような研修ではどうでしょう?”


勿論、何人かは他人の意見を聞いて ” 素晴らしい気付き ” を得られるかもしれませんが、、、、、


フリーライダー ” 


が多発することは間違いがありませんし、彼ら彼女らは、他の人たちがリラックスして言いたいことを言っているのを、ただ聞いているだけという「苦痛」「ムダ」な時間を過ごすことになります。


こういった ” グループワーク ” の「最大の欠点」は、


「多様な意見を出す目的」


であるにもかかわらず、


「個人という多様性を無視」


していることです。


誰もが「話せる」

誰もが「異なった意見を持っている」

誰もが「聞ける」


という ” 前提 ” で始めているのです。


最低限のルールとして、

「やりたくない」

「あまり意見が無い」

「疲れている」

などというフリーライダーになる人たちには、

 

「本物のカフェで休憩してもらう」

 

ということでもやれば、少しは効果があるかもしれませんが、、、