今回は、”「チームビルディング」の不必要性について” 考えてみたいと思います。
高度成長期が終焉を迎え、不況の波が押し寄せてきたころから、徐々に「チームビル
ド」もしくは「チームビルディング」というコトバが巷で聞かれるようになりました。
”業績が伸びないのは、各チームが機能していないからだ”、、、みたいな勘違いが、企業においての ”常識”、”トレンド” になってきたわけです。
そして、教育・研修業者による「チームビルディング研修」という ”お金儲け” が盛んになり、多くの企業が毎年のように管理職、リーダーといった給料の高い社員を「研修」に参加させています。
高額な「チームビルディング研修」に参加して帰ってきた社員のチームが実績を上げ、成果を出しているのなら ”費用対効果” は良好だということになるでしょう。
さて、実態は?、、、と考えてみると、このような ”研修” に参加して本当に成果が出ているでしょうか?
(チームビルディング)
全体で同じ目標に向かい、達成するための組織づくり。
組織に属する社員などの構成員がそれぞれに持つ特技・長所・能力などを高めていきながら、組織全体のパフォーマンス向上に役立てられる形を作ること。
組織を構成する全ての人を対象にして行う。
構成する全員が、組織の一員であるという共通認識を持ちながら、自己の能力向上につなげていくことが役割。
強い組織を構築していくための手法。
メンバーのスキルや能力、経験などを最大限に引き出し、目標を達成できるチームづくり。
まぁ、ありきたりで、とても希望が持てそうにありませんね?
今はどうかわかりませんが、少し前のそういった”研修”では、必ず「タックマンモデル」を延々と講義していました。
(タックマンモデル)
チーム結成から成果を生み出せる状態になるまで、組織の成長段階を5つのステージにわけたモデル。
心理学者のブルース・W・タックマンが1965年に提唱。
提唱当初は4段階のモデル、1977年に1段階追加されて現在の5段階になった。
組織の進化の段階を「形成期 (Forming)」、「混乱期 (Storming)」、「統一期 (Norming)」、「機能期 (Performing)」、「散会期 (Adjourning)」の5つのプロセスに分けたモデル。
「1965年に提唱」された、、、、60年も前の組織理論、、、、???
勿論、「教育・学習」の理論等も古いものはあります。しかし、時代と環境に対応してアップデートされ、新しい考えが上書きされています。
ところが、いまだに「タックマンモデル」は「チームビルディング研修」では”正論”として語られます。
60年前とは、ほとんどすべてが変わってしまった”組織”という形態を、60年前の理論でどう良くするのか?
なんとなく ”正気の沙汰ではない” 気がします。
そもそも、、、(「そもそも」という人はダメ、、みたいなことを書いたビジネス書がありましたが、今回はどうしても「そもそも」を使わざるをえないので勘弁してくださいね)、
「チームビルディング」から始めること自体が間違っている!
と考えています。
「チームビルディング」という考え自体、
・管理職、リーダー
と、
・メンバー
を最初から分けています。
「チームビルディング」→「マネージメント」・・・・と一連の”研修”が続きますが、 ”メンバー” は置いてけぼりです。
個々の ”メンバー” が存在しなければ ”チーム ” は存在しません。
チームが業績を上げ、成果を出し、会社が発展するには、
「チームワーク」「チームビジョン」「コミュニケーション」、、、の前に、
「個人の学び・成長・業績」
が第一だと思うのです。
それを ”one size fits all ” の ”60年前” の理論や考えで纏めたとして、いったい何が得られるのでしょう?
「チームビルディング研修」「マネージメント研修」ほどコスパの悪い研修はないように思います。
まずは、メンバーの知識・スキルをアップさせる「教育・学習」を考えるべきですね?
企業では、経営者、役員、管理職、リーダー、メンバー、、、それぞれの立場があり、組織は形成されています。
そこで、最も人数割合が多いのは?
経営者、役員、管理職、リーダーではありませんね?
普通の社員、チームのメンバーが大多数を占めるわけです。
経営者、役員、管理職、リーダーが、”60年前”の不変ではない古い理論研修が有効かそうではないかを判断できる知識を身につける必要がありますね?
メンバーの真正な「教育・学習」が全くできていないのに、まずは「チームビルディング」だとか考えるのは本末転倒(?)ではないかと考えます。
「チームビルディング」「マネージメント」「コーチング」「ビジョン」「コミュニケーション」などというコトバが過大評価されすぎている気がするのです。