louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「困った時のマインドマップ」 ~ それって必要? ~

今回は、「困った時のマインドマップについて考えてみます。


少し前まで、企業内教育研修で、” 思考を鍛える! ” とかいう名目で、

マインドマップ」を作ってみよう、、、

といったことがよく行われていました。

マインドマップ

現在では、ブームも去ったようですが、今でも極たまに、思い出したようにマインドマップを作ってみましょう!」なんていうことがあります。

ネタが切れた時に姿を現すのが、マインドマップですね?

結果を問われない曖昧な(いい加減な)モノですから、

「困った時のマインドマップ

です。


マインドマップ:mind map)

 

トニー・ブザンが提唱する、思考の表現方法。

頭の中で考えていることを脳内に近い形に描き出すことで、記憶の整理や発想をしやすくする。

情報を視覚的に整理・整頓するための手法の一つ。

中心から放射状に枝分かれしていく樹形図を用いて、アイデアや情報を関連づけながら展開していく。

主にアイデア出しや企画、学習、記憶、プレゼンテーションなど、思考を整理する際に利用される。思考の流れを自由に描き出すことで、直感や発想を最大限に引き出すことが可能とされている。

作成方法は、まず中心にテーマを置き、そこから関連する項目やキーワードを枝のように広げていく。枝はさらに細かく分岐させることができ、詳細な情報を加えることも可能。色や記号、図形を使って視覚的に分かりやすくする工夫もされる。


というやつですね? 割と多くの人が実際に経験しているのではないでしょうか?


トニー・ブザンは、脳科学怪しい!心理学の知見から、マインドマップを通してメンタルリテラシーの重要性を提唱していて、頭の使い方であり、学び方を学ぶ力や、学んだことを活用する力を指す。


とは言いますが、かなり怪しいですね?


また、マインドマップ「学習」に役立つという説も、あるにはあります。


・視覚的な情報の整理

マインドマップは情報を視覚的に整理するためのツールであり、一目で全体像を把握することができる。知識の理解と記憶が深まる。


・関連性の理解

マインドマップは一つのテーマから派生する情報を関連付けて表現するため、それらの情報がどのようにつながっているのか、どのような関係性があるのかを理解するのに役立つ。


・アクティブラーニング

自分自身で情報を整理し、繋げていく作業を行う。このプロセスは、自分で考え、理解し、学習する「アクティブラーニング」を促進する。


・クリエイティブな思考

自由な形で情報を配置することができ、クリエイティブな思考を刺激する。これは新しい視点を見つけるのに役立つ。


などと言われ、「情報の整理、理解、記憶、そして新たな視点の発見」といった学習を効率的に進めるためのツールとして役立つなどと提唱する人もいます(ほぼ99%が研修業者ですが、、、)。


とはいえ、思考を整理する(そんなベストセラーもありましたね?)という意味では、たしかに、発明や創造的な仕事を行う場合には役立つかもしれませんが、一般的な思考や学習などには、それほど役に立つとは思えない、、というのが私見です。


「人が頭の中で自然に行っている思考を見える化することにより、頭の働きを ”活性化 ”し、”発想を広げる ”ための手法で、ビジネスの場に限らず、自己分析をするときや、目的を立てるとき、メモとして活用するなど様々な場面で利用される」 

 

というのがウリですが、頭の働きが活性化されたからといって、発想が広がるのでしょうか?

自分の部屋で、ノートにマインドマップを作るのであれば、少しは効果があるような気もしますが、研修、アクティブラーニングなど大人数・対面でやるものではないですね?

 

これまで一度だけマインドマップ研修」みたいなのを受けましたが、参加していたほとんどの人が作ったマップは、似通っており、ほぼ同じ、、、という現実を見て、「こりゃダメだ・・・」となりました。


人間は自分の脳で考えている思考など、何の利益もなく表に出したいと思いませんし、研修でマインドマップを作ってみましょうなどと言われれば、適当な、無難な項目を挙げて構成するだけです。


それに加え、下記のような弱点も指摘されています。

 

(弱点)


・複雑さ

マインドマップが複雑になりすぎると、視覚的に整理されているとはいえ一見して理解することが難しくなる場合がある。特に多くのサブトピックや詳細がある場合、全体像を把握するのが難しくなる。


・線形的な情報の表現に限界

マインドマップは基本的には中心から放射状に情報を広げる形式をとるが、この形式は全ての情報を適切に表現でき無い場合もある。時間軸に沿った情報や循環的なプロセスを表現するのには限界がある。


・個人差

マインドマップは個々の思考の流れを表現するものなので、他の人がそのマインドマップを見たときに必ずしも理解しやすいとは限らない。作成者が頭の中でしか理解していない情報や前提知識を基に作られている場合、他の人が理解するのは難しい。


・時間と労力

マインドマップを効果的に作成するには、情報を整理し、関連付け、視覚的に表現する時間と労力が必要。一部の人々にとっては負担となる。


といった感じです。

元々が、” 商売のツール ” として開発されたモノなので、あまり本気にしない方がいいようにも思います。


マインドマップで、

 

「記憶力が高まる」とか、

「創造性が高まる」とか、

「相互理解が高まる」


などという広告を鵜呑みにすると、嘗ての脳トレみたいに、結局は役に立たなかった、、、となるように思います。