今回は、”「何がわからないのかが、わからない」現象 ~ 曖昧な前提知識が招く不幸 ~ ” というテーマで考えてみます。
ある程度その教科の学習や教育が進んだ後、成績が芳しくなく、面談をしたりアンケートを取ると、クラスやグループに1人か2人は、こういったコトバを言う人が必ずいます。
「何がわからないのかが、わからない・・・んです」
・この学習者はどういう状況なのでしょうか?
・どのような対処をすればいいでしょうか?
学習者の状況を考えてみると、
学習は常にしているが、具体的にどの内容が理解できないということではなく、全体として思考に ” 靄がかかったような状態 ” で、学習したはずの様々なことが思い出せなかったり、簡単な内容でも誤理解を繰り返してしまう、、、、
というようなことです。
この現象は、
” 学習に真面目に取り組んでいて、モチベーションもあるけれど、成績は振るわない ”
学習者によく起こることです。
いい加減に学習していたり、モチベーションの上がらないだけの学習者の場合は、多くの人が、具体的に「どこそこの内容がわからない」と認識できます(学習していないのですから、当たり前のことです)。
では、こういう場合、「教える・指導する・サポートする側」はどういう対応をしているでしょうか?
多くの「教える・指導する・サポートする側」の人たちは、このようになってしまった学習者へのアドバイスとして、
「最初から、ゆっくり、もう一度学び直してみよう!」
とか、
「焦らずに、1つずつ理解していきましょう・・・」
「大丈夫だから! やればできるから!」
といった ” 神対応(?) ” を行っているのではないでしょうか?
いやいや、そのままの学習を続けていても、ほとんどの場合、理解できるようにはなりませんし、リタイヤしてしまうことも多々あります。。
” 最初から、ゆっくり、もう一度、焦らず、1つずつ、、、やっても ”
できるようにはなりませんし、「何がわからないのかが、わからない」現象は消えません。
原因は何でしょう? どう対応すればいいでしょう?
原因は、
”「前提知識」が曖昧 ”
であり、
” その上に新たな知識を載せようとする ”
から、ということです。
”「前提知識」が全く無い ” 場合には、こうはなりません。最初から何もわからないのですから、、、
そうではなくて、” 不完全で曖昧 ” な「前提知識」をベースにすると、” 混乱 ” をまねくことがあるということです。
このような現象を認識できない人もいます。
昨今の「ネットの切り抜きニュースやSNS、インフルエンサーの戯言をベースにして誤った行動する」人たちですね?
このような人たちは「自分は正しい・完全に理解している」と思いこんでいるので、「何がわからないのかが、わからない」とはなりません。誤った道をただ爆走するだけです、、、、、。
そう考えると、「何がわからないのかが、わからない」という思考の人はまだ修正がききます。
その教科を最初から学び直すのではなく、” その教科を学ぶ前提となる知識 ” を再度学習し直す時点に立ち戻ればいいと思うのです。
「何がわからないのかが、わからない」と思った人
学習者から「何がわからないのかが、わからない」と言われた人
は、「前提知識」の意識を持てば、必ず学習は変わってきます。