教育の評価で、企業の経営層が聞く耳を持つのは「Level 4(カークパトリック)」もしくは「Level 5(ジャック・フィリップス)」だけだと前に記しました。
これは紛れもない事実です。
以前、教育フォーラムで講演をして、このことを話したあと、研究職の方から質問がありました。
「研究の場合、最終的に製品となるものと、ならないものがあり、多くの場合が製品にはならない」
「こういった場合には、Level 4 も Level 5 も無理なんですが、、、」
「Leve 3を目指した方がいいでしょうか?」
そこで考えました。
確かに、研究の成果がすべて製品として売り上げになるなら問題ないのですが、そうではない場合、さてどうするか?
結論から言うと、
「Level 3 は目指すべきではないと思います!」
「個々のインストラクションでは、真正な学習目標を作成し、Level 2 を確実に達成することが重要だと思います」
「ただ、、、」
ここからが本題です!
「アカデミアの先生が言うように、とりあえず ”行動変容” である Level 3 を目指すことは、企業においてはほとんど意味を持ちません。Level 4,5 が目指せないのであれば、あきらめて(?)Level 2 を目指すべきです」
「しかし、ここで大事なのは、たとえ Level 2 を目指すのであっても「費用」のデータは常に取っておくことです!」
そうです、企業内教育において教育にかかったすべての「費用」データを常に取っておくということが必要になります。
「Level 2 なのに、なぜ「費用」データを?」
「ROI も出せないのに、ムダでしょ?」
このデータはムダではなりません。
「研究のような職種の方への教育については、確かにすべてが Level 4,5 を目指せないのはわかります。しかし、常に教育にかかった「費用」データを取っておくことで、製品になった教育の ROI と比較ができるし、製品にならなかった教育ごとの比較もできるようになります」
ここで言っている「費用」というのは、そのインストラクションにかかった「全ての費用」のことです。
外部講師を雇って行った研修の費用とか、購入テキストの金額、、のようなものだけはすでに管理しているでしょうが、そういったものだけではなく、担当した人の「人件費(給料、出張旅費、ボーナス等)」や「光熱費」、「システム費用」、、、算出可能な「費用」は全てデータとして残しておくことです!
と、説明したのですが、、、、
私の説明の仕方が悪かったのかどうかわかりませんが、まだ首を傾げていたので、、、理解されなかったのかもしれません、、、