今回は、 ”「直線型(プログラム)教授」と「枝分かれ型(プログラム)教授」 ” というテーマで少しだけ考えてみます。

「プログラム学習」の範疇のお話です。
(プログラム学習)
学習内容を小さなステップに分割し、各ステップで学習者が正解を導き出すことで、次のステップに進むことができるように設計された学習プログラム。
一定の学習目標に到達させるために細かく分析され、論理的系統的に順序づけられた内容を解説、説明、質問、答えの系列に従って習得させる学習指導の方法。
「直線型(プログラム)教授」というのは、 ” スキナー型 ” とも呼ばれる、一般的なカリキュラムを実施するということです。
つまり、コトバを覚える場合に、発音→ひらがな→カタカナ→漢字と順を追って学習をさせる方略です。
まず、前提知識を学び、その次に新しいことを1つずつ学習していくということは「教育・学習」の基本です。
そして、「完全習得学習」を目指す上でのベースとなる考えだと思います。
また、「枝分かれ型(プログラム)教授」というのは、 ” クラウダー型 ” とも呼ばれ、直線的ではなく、各学習内容について習得すれば次の新しい段階へ移行するのではなく、それぞれについて関連項目等も深く学習・理解し、その後、次の段階へというフローのことを言います。
ある意味、現在の「探求学習」の元になっているような考えですが、1つずつ確実に学習していくという点では「直線型(プログラム)教授」と同じです。
これは、どちらがいいとか悪いとかいう問題ではなく、
「学習者」のコンピテンシーや性格・学習傾向(?)により、使い分けができる
という「選択肢」だと思います。
「直線型(プログラム)教授」の方が、効率的であり、スピードも速い、、、のですが、すべての学習者がそのスピードに乗ると、当然「抜け」や「誤解」を持ったまま次の内容に移り、やがては破綻する、、、ということがあります。
受験勉強や、資格試験対策などについては、「直線型(プログラム)教授」がメインとなっているのは、
” 目の前の問題さえ解ければそれでいい、、、”
ということからですかね?
一方、「枝分かれ型(プログラム)教授」は1つの内容について関連事項を絡めて学習・理解していくわけですから、当然時間がかかります。
会社の仕事や、研究、分析などを行うには、カリキュラムに沿った直線的な学習だけでは対応できない事案も発生しますので、このような方略も必要ですし、受験勉強や、資格試験対策においても、すべてをスムーズに知識習得できる人ばかりではなく、そのような場合には、「枝分かれ型(プログラム)教授」の方が効果があるということもあります。
「探求学習」については、特に ” 現在の学校教育 ” に取り入れる必要性はない、というのが私的なスタンスですが、そうではなくて、直線的な学習で習得できない学習者への個別な方略として「枝分かれ型(プログラム)教授」を取り入れるのであれば、全く論理的だと思います。
そして、「枝分かれ型(プログラム)教授」は、 ” AIを使った教育 ” と非常に整合性がよいと思います。
わからない事柄(間違った内容)について、確実に理解できるように周辺情報を瞬時に集め、、、、ということは ” AIの得意分野 ” に思われます。
といいながら、、、、現在の ” AIを使った教育 ” システムで、このあたりさえ確実に対応できるモノはおそらくありません。
” ごく限られた分野の、ごく限られた内容 ” についての仕組みはあるでしょうが、一般的な分野の一般的な学習内容についても、 ” AI ” は、まだまだ嘘ばかりついて、学習者を違う方向へ導きます。
嘘ばかり、、、というと大げさなのですが、現在の ” AIを使った教育 ” システムは、
” 関連する事案や事項の検索、表示、解釈が「非常に曖昧」 ”
だと思います。
多くの学校や企業がそういったシステムを売っている業者と提携したり、導入したりしていますが、現実的には大した効果があるとは思えません。
勿論、宣伝効果、企業ブランドアピールには成功しているのでしょうが、「教育・学習」ということに限って考えると、
” 無くてもいいレベル ”
ですね?
またまた、話がそれてしまいましたが、
教授する(デザインする)側が、「直線型(プログラム)教授」と「枝分かれ型(プログラム)教授」の効果と対象者の選定をすれば、真正な「個別最適化」の「教育」が可能です、、、が