今回は、” 計画どおりに行かない場合(「テストのための学習計画」と「自分のための学習計画」)” について少し考えてみます。
学生はもちろん、社会人でも何かの目的があって学習を行う場合、ほとんどの人が「学習計画」を立てます。
単なるスケジュールである「学習計画」もあるでしょうし、細かく「学習目標」を作成して、その日、その時間帯に何を習得するか、まで作る人もいます。
そして、大概の学習においては「学習計画」どおりに進みません。
さて、その場合の対応方法によって、結果は当然違ってきます。
まずは、「テストのための学習計画」について考えます。
今回は、学校でよくある ” 定期テスト ” で考えます。
テストでいい成績を取る人は、一般的にかなり前から「学習計画」を作成します。
それは、多くの科目のテストがある場合、例えば5~7科目のテストがあるとすると、
・1科目1日の学習だと5~7日必要
であり、
・1科目2日やろうとすれば10~14日
・1科目3日の学習をしようとすれば15~21日必要
だということを理解することができるからです。
この期間が長い人がいい成績を取る ” 傾向 ” にあるというのは間違いのないところだと思います。
数か月の学習内容を、テスト前に1科目1日でやろうと考える人と、1科目に3日を当てようと考える人の違いは、学習者の性格とか普段の学習量の違いとかはあまり関係がなく(若干ありますが)、論理的に物事を捉えられるかどうかということです。
そして、冒頭にも記したように、
” 大概の学習においては「学習計画」どおりに進みません ”
・人間は自分に甘く、他人に厳しい動物です、、、
・急な用事ができることもあります
さて、そうなった場合にどうするか?
(考えられる方略)としては、
(1)科目にプライオリティをつける
つまり、点がとれそうな科目を優先して学習する、もしくは点がとれなさそうな科目に時間を割り当てる
(2)全科目の学習時間を一律に減らす
(3)時間を増やす
学校や仕事を休んで学習する時間をつくる
くらいでしょうか?
この中で、一番効果的であるのは、当然のことながら、
(3)の ” 時間を増やす ”
です。
しかし、これには非常にパワーが必要になりますね?
「 学校へ行く、会社へ行く = 普通(当たり前) 」
と考える人が圧倒的に多い今の世の中ですから、、、、
” ご講演座学 ” や、” 上司の愚痴、自慢話 ” を聞くことより、テスト成績が自分にとって大事だと思うのであれば、休んでもいい、、、と思うのです。
実際に、
” 中学、高校の進学校 ” では、テスト前には出席率がかなり下がります。
倫理的にこれがいいことかどうかは判断できませんが、自分のために良かれとした選択なので、あまり批判する気にはなりません。
そして、効果的ではないが、一番多い選択は、
・科目にプライオリティをつける
・全科目の学習時間を一律に減らす
が同率一位になります。
この2つは、どちらを選択しても、個人差、誤差は若干ありますが、結果は恐らくほとんど変わりませんね?
では、「自分のための学習計画」についてはどうでしょう?
「自分のための学習」というのは、例えば、英会話とか、何かの資格試験に合格する、西洋哲学について学ぶ、オーディオの修理ができるようにその機能、構造を学ぶ、、とかの、学校、会社での成績等にあまり関係のない「学習」のことです。
自分の興味に従った「学習」は非常に強いモチベーションが起きますが、それでもやはり、
”大概の学習においては「学習計画」どおりに進みません ”
・人間は自分に甘く、他人に厳しい動物です、、、
・急な用事ができることもあります
ということです。
TOEICで一年後には800点以上を取る、、といった目標を立てて、毎日1時間は英語の勉強をする、週に2回は英会話教室に行く、、と「学習計画」を立てたとしても、その通りにできることはまず無いと思います。
現代までの西洋哲学の歴史や各哲学者の考えを学びたいと思って、3日で一冊の哲学書を読破する、、、と「学習計画」を立てても、、、、
「テストのための学習」に比べて、「自分のための学習」は、モチベーションは高いですが、一般的に目標達成までの期間が長いことと、結果を自分で変えられるため(英語なんて必要ない、とか、哲学なんて知らなくても何も困らない、、、)、「学習計画」を立てたように実行することは非常に困難です。
さて、そういった場合、どういう方略を取ればいいか?
まず最初に、できるだけ詳細な「学習計画」を作ることです。
「学習計画」を細かく作ることにより、1つ1つのステップを踏むことが少しだけ容易になります。
そして、計画通りに行かなくなった場合、期間は若干伸びてもいいので、各計画の目標を更に細かく設定し直します。
「毎日1時間は英語の勉強をする、週に2回は英会話教室」
を、
「毎日30分間、英文法を勉強、30分を単語習得する」
「週に2回は英会話教室では、1回はフリーカンヴァセイション、1回は特定の話題について行う」
のように、どんどん各目標を細分化していきます。
これは、勿論、自分自身にプレッシャーをかけ、ストレスを与える方略であり、その学習に更に興味を持たせるということです。
元々が、自分が好きで始めることなので、
ハードルの高さが半分になったとすれば、倍の距離も走れるようになる
ように思うのです。
とはいえ、これは私のいい加減な考えなので、人によっては全く効果がないという場合もあるでしょうが、肝心なのは、
「学習計画」を遅れたまま放置しない
ということだと思います。