e-Learning が失敗する理由について記します。
まず1つは、e-Learningソフト(LMS)を販売している業者が、教育・学習というものをまったく学んでいないこと。
前にも記しましたが、LMS業者(SIer,専門業者ともに)は単なるシステム屋です!
LMS業者の仕事は、提案して、ソフトを導入して、あとはトラブル等の保守費用を継続してもらえればいいだけのことです。どこにも「教育」や「学習」の要素はありません。
これまで、10数社の大小のLMS業者と付き合いをしてきましたが、彼ら彼女らから「教育」「学習」についての話を聞いたためしがありません(もちろん、ビジネストレンドになってるような内容のない話はたまに聞きますが)。
LMS業者の提案する内容といえば、「価格」、「他社にない(不必要な)機能」、「サポート体制」、「必要なサーバやソフトのスペック」、「導入事例」くらい。
そんな中で、何社かに「学習成果を出すような、貴社なりの考えはありますか?」と訊ねたことがあります。
そこで、帰ってきた答えは、、、
「〇×社に導入していただき、大変好評を得ております」
「対面でおこなっていた頃と比べて、コストが下がり、、、」
「いつでも学習できるので、、、」
って感じでした。いや、「考え」を訊いているのであって、そんなことを訊いてるんじゃないのだけれど、、
e-Learning が失敗する理由の2つ目は、導入する企業側の教育担当者が「教育」「学習」について何も学んでいないことです。
結局、LMS業者と同じで、「〇×社に導入した事例」、「対面に比べてコストダウン」、「オンデマンドでいつでも学習できる」くらいしか考えていないのです。
日本にe-Learning が導入された20数年前に、「教育・学習の理論」「メソッド」「モデル」などは意図的にかどうかはわかりませんが、完全に削られました。本来ならセットで導入されるべきものが、e-Learningという「ツール」だけが導入されたのです。
でもね、
e-Learningなんて「単なるツール」ですから!
それだけでは単なる「システム」であり、「経費」なのです。
と、言いながら、海外ではちゃんとデザインされた教育モデルでe-Learningが行われているかというと、もちろんそうではないですが、成果を出しているという会社もいくつか知っています。その会社には、日本では存在しない「社内インストラクショナルデザイナー」がいます。
各教育ごとに、インストラクショナルデザイナーがSMEと連携し評価までデザインするわけですから、まぁ、成果は必然的に出ますね。
この国にもそういう時代が訪れることを祈っているのですが、、、、
そうそう、e-Learning の失敗で、一番有名なものを最後に紹介して今日は終わりにしましょう。でも、これは上記の2つの理由とは少し趣旨が違うので同じには語れませんが、、、、
最大のe-Learning の失敗、それは例の「mooc(Massive open online course)」です!
海外の超有名大学がはじめた多くが無料の「オンライン講座」です。
スタンフォード、プリンストン、東京大学などのCoursera、ハーバード、マサチューセッツ工科大、カルフォルニア大学バークレー校、京都大学などのedX。
完全な失敗の例ですね! 受講申請はものすごい数の人がしたのですが、結局最後まで受講し続けたのは数パーセントという、、、悲惨な結果でした。
moocの失敗の理由については、「動機付け」の内容でまた語ろうと思いますので、単なる例としてのみ記しました。