louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「人材育成」というモノ ~ そんなに大きく振りかぶらないでも ~

今回は、”「人材育成」というモノ”について考えてみます。


以前、日本e-Learning大賞 とかいう催しに教育の概要を出したところ「人材育成特別部門賞」なんていうものを貰ったことがありますが、、、


「人材育成」って、、、非常に曖昧過ぎる概念ですね?


一応調べてみると、

人材育成

(人材育成)


企業が業績を上げて経営目標を達成するために、従業員に必要な知識やスキルの習得を促すこと。

職種や役職・入社年数などで対象者を分け、研修などを通して一律のスキル習得を目指します。

社員を経営戦略の実現に貢献し、会社の利益を生む人材に育てること

必須3要素

「コミュニケーション」、「協働の意欲」、「共通の目標」


人材育成で大切なこと

 ・目的を明確にする
 ・目標を設定する
 ・スキルの可視化を行う
 ・期日を決める
 ・自主性・自発性を養う
 ・モチベーションを管理する
 ・育成担当者のスキルを高める
 ・人材育成に関する制度を整える


育成内容


・技術的スキルの教育

特定の役職や業務に必要な技術的スキルの教育が重要。コンピューターの使用方法、特定のソフトウェアの操作方法、業界固有のツールの使用方法などが含まれる。


・リーダーシップとマネージメントスキルの育成

リーダーシップスキルとマネージメントスキルは、チームを指導し、適切に業務を管理するために必要。これらのスキルを育成することで、従業員はより高いレベルの職務に昇進する準備ができる。


・コミュニケーションスキルの強化

効果的なコミュニケーションは、企業内での協力と生産性を高める。従業員が他のチームメンバーやマネージャー、クライアントと効果的にコミュニケーションを取るためのスキルを強化することが重要。


・継続的な学習と成長の機会

企業の環境は絶えず変化しているため、従業員が新しいスキルを学び、既存のスキルを更新する機会を提供することが重要。


・個々の従業員のニーズと目標を理解する

すべての従業員が同じスキルや知識を必要とするわけではない。個々の従業員のキャリア目標や学習スタイルを理解し、それに基づいて個別の育成計画を作成することが重要。


・フィードバックと評価

従業員のパフォーマンスを定期的に評価し、フィードバックを提供することで、従業員が自身の強みと弱点を理解し、改善のための具体的なアクションをとることができる。


ということです。

 

要は、会社を大きくする、継続させるために従業員を教育しましょう、というコトですよね?

 

資本主義の世界では、まっとうな考えで、その方法や手法を書かれた「ビジネス書」が常にベストセラーになるはずです。


本来は「教育・学習」の文脈で語られることなのでしょうが、経営学と勘違いする人が非常に多いですね?


経営学は、


企業活動の原理や構造、またその合理的な管理方法などを研究する学問


であり、もちろんその中には ”人(従業員)”が含まれますから、「マネジメント」「人材育成」などということを入れたがります。


日本でも世界でも、これまでに何人もの「経営の神様」が現れ、その人たちの精神論みたいなことを書いた本が売れました。


そういった本を何冊か読んでみたことがありますが、たたき上げの成功者物語であり、

 ・時代

 ・偶然の悪戯

 ・タイミング

 ・人との出会い

がほとんどを占め、

最後には、


「自分に正直に・・・」

とか

「他人にやさしく・・・」

みたいな感じですね?


また、以前、誰かが

ドラッカーアメリカの経営学では学ばれない、単なる哲学・・」

のようなことを書いていましたが、、、、、


つまり、「経営者」と「経営学者」の副業(?)みたいな感じで広まっていったのが「人材育成」だと思っています。


・たまたま経営に成功した人

経営学と違うことで成功した人

・アカデミアの先生

の理論をもとにしているモノがほとんどではないでしょうか?


実際に、「人材育成で成果が出た」、、、と宣伝する会社は多いですが、


・具体的にどのような育成成果があったのか? 

・育成できた知識・スキルの数値的レベルは? 

・マネジメントや組織改革が売り上げ上昇に果たした因果は?


など、全く無いですね?


「人材育成できた」=「業績が上がった」


という、言ったもの勝ちの世界ですね。

 

理論としても、”浮世離れしたモノ” が多く、


(人材育成理論の弱点)


・実践的な知識と理論的な知識の乖離

企業の人材育成には実践的な知識とスキルが必要だが理論や提言は、実際のビジネス環境や職場の現状を反映していない場合が多い。


・現場のニーズの理解不足

企業の具体的な課題やニーズを十分に理解していない場合が多く、企業の現状や目指すべき目標に合致していない場合が多い。


・柔軟性の欠如

理論は堅苦しく、古典的な教育方法に固執する傾向がある。現代の企業が変化の速い環境で生き残るためには、新しいアプローチや創造的な思考が求められる。


・長期的な視点と短期的な視点の違い

理論は長期的な視点で考えられるが、企業は短期的な結果を求められることが多い。この視点の違いが適用を難しくする。


・フィードバックの欠如

理論は一方的であり、その結果がどのように企業の実績に影響を及ぼすかを評価する機会が少ない可能性がある。効果的な改善策を見つけるのが難しくなる場合がある。

 

「人材育成」とか大きく振りかぶらず、「教育・学習」を確実にすればいいだけのことだと常々思うのです。