今回は、「日本のLMS(Learning Management System)弊害論(?)再考」というテーマで考えてみます。

業務と興味のはざ間で、このところ少しだけまた、LMS(Learning Management System)の調査を行っています。
そして、何社かのLMS業者を訪問し、その内容について訊かせてもらいました。
こういうことをやったのは約20年ぶりなので、何となく新鮮な感覚でしたが、その後の落胆を考えると、、、複雑な心境でもあります。
結論から先に言ってしまうと、
「日本のLMSは、この20年以上、何一つ進化していない!」
「日本のLMSは、教育・学習の弊害でしかない!」
ということです。
今のLMSのトレンドの殆どは、 ” AI ” と ” スキル・キャリア連携 ” だと思います。
ところが、その ” AI ” も、 ” スキル・キャリア連携 ” も詳細を確認してみると、
「何だこりゃ?」
という状況でした。
単にパターン化した機能をプログラミングし、全く ” AI " とは呼べないモノを無理やり ” AI ” と呼び、殆ど手入力の ” スキル・キャリア連携 ” だけがウリというのが、現在の日本のLMSだと思います。
まぁ、基本的に ” システム屋さんだけがLMSを企画・開発・販売している ” のですから、当たり前といえば至極当たり前のことなのですが、正直なところ酷い有様です。
「学習」についての思考がほとんど無い、、、というのはLMSが20年以上前に日本に入ってきてから今も同じのようです。
LMSの説明をしてくれる業者担当者に「教育・学習」について初歩的な問いをしても、殆どの人たちが何一つ理解していません。
こういったことは、通常の製造業などではありえないですね?
商売や取引を行うには、最低限の知識が必要であり、多くはプロ同士がやり取りをして、その後予算や、経営を考え実施します。
ところが、日本の「教育・学習」のツールであるLMSについては、導入企業側も売る側も、「教育・学習」について、
「まったくの ” 素人同士 ” がやりとりをして、、、」
というのが何十年経っても変わっていません。
海外のLMSの情報であったり、企業の教育担当の状況を聞きかじると(?)、あまりにも ” 差 ” があり、いつまでたってもその ” 差 ” は縮まるどころかどんどん拡がっているように思えます。
「教育・学習の素人」がシステムを作って、「教育・学習の素人」が導入・運営しているのですから、当然そうなるのはわかるのですが、これだけの情報が溢れている世の中で、「教育・学習」という分野は完全にガラパゴス化(?)しているように思われます。
そう考えると、寧ろ「LMSなど導入しない方がまだマシなのではないか?」と考えたりもします。
本来は「教育・学習」の効果、効率化をはかるための「ツール」である LMS が却って「教育・学習」の弊害となってしまっているように思えるのです。
といいながら、LMSの価格は20年前と比べるとクラウド化などの要因の変化もあり、ほぼ2倍にはなっています。
さらに子供だましの ” 偽AI ” や、キャリア、人材データとの連携で、、、などと謳い、オプションを次々と追加していきます。
それでも、経営に余裕のある企業は、すごく適当に選考し、学ぶことも何もなく導入します。
その結果、最も ” 害 ” を被るのは、、、当然、社員である「学習者」です。
自分の仕事にプラスして、何のデザインも根拠も効果もない「教育」を無理やり受講させられ時間を浪費させられ、認知負荷を強いられるわけです。
ということで、これを機に、すこしだけ「日本のLMS弊害論」を真剣に考える必要があるのではないか、、、などと思っています。
勿論、真正にデザインされた教育・学習にLMSが用いられることに問題はありませんし、嘗ての熊大公開講座などのような学習の効果・効率化がはかられた例も幾つかはあります(自分が係った教育も、、、)が、おそらく、99%の日本企業の教育において、LMSはプラス面よりマイナスの効果が作用しているように思う今日この頃です。