今日はPBL(Problem-based Learning)は有効なのか? ということについて考察を記します。
因みに、一般的によく言われるPBLは下記の2つがあります。ややこしいですね?
(2つのPBL)
(Problem-based Learning)
1960年代にアメリカやカナダの医学・薬学教育現場で、膨大な知識量を身につけなければいけなくなったことから、必要な知識を効率的に身につけるために考えられた。
(Project-based Learning)
キルパトリック(W. H. Kilpatrick)が、デューイ(J. Dewey) の考えを発展させて提案したプロジェクト・メソッド(project method) が起源。仮説を、プロジェクトとして解決・検証していく学習。
今日取り上げるのはProblem-based Learningの方です。日本語では「問題基盤型学習」となります。
PBL(問題基盤型学習)
>複雑な問題をグループでTA等のサポートを得ながら、問題解決を模索する学習方略
・広範な知識、深い理解の習得
・問題解決スキル、学習スキルの習得
・他者との効果的コラボレーション
・自己主導のマインド育成
を目的に、行われます。
実際のところ、このPBLも教育トレンドになりました。
そう、あの「アクティブ・ラーニング」という言葉が流行った頃です!
上の絵にも書いてありますが、「アクティブ・ラーニング」なんてトレンドはほんとにいい加減なもので、鈴木先生のおっしゃるように「もともと、アクティブじゃない学習なんて意味ないじゃん!」ということです。
しかし、このPBLには大きな欠点(?)があります。いや欠点というか特性ですね!
つまり、「このインストラクションモデルの発端が、医学・薬学教育現場で、膨大な知識量を身につけなければいけない・・・・ということで・・・・」
・極端に深く広い知識と理解
・難解な問題
・調査、検討に時間がかかる
・今回の問題解決 →次回の問題
そうです、とても深い専門知識を得るためにアカデミアは有効だと思いますが、これを無理やり「企業内教育」に取り込もうとすること自体に問題があったわけです。
企業の現場では、今も昔も情報は一瞬のうちに古くなり、常に新しい内容に置き換わります。もちろんベースの基礎知識はおさえておかなければなりませんが、ほとんどの場合、アカデミア程の深堀りは必要がないのです。
「学習する組織」で有名なピーター・センゲの師であるロバート・フリッツは、「構造を考えない安易な問題解決が次の問題を引き起こす」とも言っています。
確かに、安易な問題解決って、必ず次の問題の起点になりますね、、、
そこで、企業内教育におすすめなのは、TCI(Task-Centered Instruction)課題中心型インストラクション です!
TCIについては長くなるので、また後程ということで、、、