「動画の再生スピード」について「1.3倍が最も学習効果がある!」なんていうのは言語道断、、全く教育も学習も何もわかっていない人の発言なので、気にすることはありません。無視しましょう!
前にも記しましたが、ここで重要なことは「動画」であれ「静止画」であれ、学習者が「学習」できる教材を提供できるかどうか?
それと、学習者が「学習」しようとするかどうか? です。
通常、企業内でのLMSのコンテンツなんて「動画」ならバックで再生させて別の作業をする、「静止画」なら読まずに「次へ」を押していく、、、というのが関の山です。
私自身も、会社のコンプラやITリテラシーのコンテンツなんて受講はしていますが、全く「学習」していませんし、殆ど記憶に残っていません。
これは決していいことではありませんが、
「仕事」で「学ぶ」
のであれば、「ムチ」が必要です。
強制的に、コンテンツの内容を「学習」して「習得」「記憶」させる方略です。
しかし、これには教育担当者の強烈な抗議が伴います!
なぜ?
「学習者」である社員に恨まれたり、疎ましく思われたりすることを恐れるからです。
まぁ、たしかにわからないではありませんが、、、、、それなら教育担当なんて辞めるべきです! 意味のない「教育モドキ」をやって給料を貰うなんてナンセンスですし、「プロ」ではありませんね?
「プロ」
そう、「一億総教育評論家」の日本では、誰もが自分を「教育のプロ」だと思っているのです。
「プロ」なら「プロ」らしく教育・学習・人材育成についてちゃんと「学べ!」と思います。
「アマチュアが”教育”をやってるつもりになっている」
ことが一番の悲劇なわけです。
彼ら彼女らは、SME(Subject Matter Expert)であって、「教授デザイン」を作る人ではないのです。
まぁ、それはそれとして、「学ぶ」ということについて非常に誤った認識を植え付けているものの1つに、下の悪名高き「ラーニングピラミッド」があります。
これは、はっきりいって出鱈目です!
(何かの研修で、この「ラーニングピラミッド」を出して来たら、即座に帰りましょう! 全くの時間のムダですから、、、)
この「出鱈目ピラミッド」だと、「人に教える」と最も「学習の定着」が進むらしいのですが、、、、正直なところ、呆れてしまします。
いやいや、そんなの「学習」になんの関係もありませんから、、、、ね。
この「出鱈目ピラミッド」が有名になったおかげで、
1)講義・授業を受ける
↓
2)読書
↓
3)視覚的理解
となって、LMSを使ったコンテンツがいい! とLMS業者が宣伝しまくったのです。
たしかに、1の「ご講演座学」より、2の「読書(独学)」の方が「学習」になるでしょう! でも3の視覚的理解って、、、結局「動画」を見て目で覚えるってことですね?
(五感は別々に機能するので、決して足し算ではありません)
「垂れ流しのe-Learning」の大元はここにあるように思います。
話を元に戻すと、「ムチ」がないと、通常の企業内教育は成立しません。
強制的に、コンテンツの内容を「学習」して「習得」「記憶」させる方略を取らざるを得ないということは悲しい現実ですが、「成果」を出すにはしかたがありません。
では、「ムチ」とは?
それは簡単です。当該コンテンツの内容を「学んで」「習得」していなければ、この後の「(真正な)事後テスト」で満点が取れなくします(普通のことなんですけど、これ自体が殆どできていません)。
そして、初回で満点合格しなかった人は、
「学習していない」=「仕事していない」
とみなして、各人の上司に通知する、、、、、。
これをやれば、「動画」であれ「静止画」であれ、殆どの人が「学習」します。
無論、「政治家」である上司に理解を得るのは難しいでしょうが、そこをクリアしなければ意味・意義のあることはできませんね、、、。