louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

SCC ( Story Centered Curriculum )は新人教育に最適ですよ! って思うんだが・・・

SCC ( Story Centered Curriculum ) をご存知でしょうか?

 

(ストーリー中心型カリキュラム)については、下記の書籍でご確認してください!

ストーリー中心型カリキュラムの理論と実践―オンライン大学院の挑戦とその舞台裏

で、終わってしまってもいいんですが、簡単に説明します。

 

要約としては、

「学習全体にひとつのストーリー性のあるシナリオを導入し、そのストーリーに沿って学習を進め課題をこなしていく教育メソッド」

 

ではわかりませんね。

 

このメソッドは、あの鈴木克明先生が、熊本大学教授システム学専攻で当初適用し、その内容が上記の本にまとめられています。

 

「当初」と書いたのは、今はもうやっていないようです。

 

熊大の例では、こんな感じです。

 

対象:大学院新入生:4月~8月まで

方略:e-Learning(映像等の受動教育は無し) メール、レポート、掲示板、テスト

ストーリー: 新入社員、中堅が上司から 仕事を割り当てられ、自力(&仲間)と課題をこなしていく。

教授側:上司(役割はその都度変わる)
学習者:新入社員、中堅社員

内容:e-Learning開発会社に入った想定で取引先との対応、プレゼン資料作成トラブル対応、ソリューションの開発、プロジェクトチームでの作業等が課題として、LMS及びメールで指示が出されスケジュール厳守で、解決する。

デザイン:「教えない」、「足場かけ」、「協働」
     GBS理論(Goal-based Senarios)
                   PBL(Problem-based Learning)

 

こんな感じで1つの架空の会社での仕事を想定して、上司から部下(学習者)に指示が飛び、それをこなしていくことで学習するという方略です。

熊大の場合、完全オンラインの大学院で、院生はほとんどが仕事をしながら学ぶ社会人なので、非常に身近に感じられるカリキュラムだったんでしょうね?

 

参考までに、上記にあるGBS理論(Goal-based Senarios)とは、こんな感じです。

「現実的なContext(文脈)の中で自力で学習し 行動、失敗することにより学ぶ経験を疑似的 に与えるための学習環境としてStory(物語) を構築する理論」

構成要素:学習目標、使命、カバーストーリー、役割、シナリオ操作、情報源、    フィードバック 

 

ここで、ジョン・デューイを発想された方は素晴らしい! お友達になりたいレベルです、、、ほんとに。

 

デューイの話はまたの機会として、実はこのメソッド、大学より企業内教育に向いていると思うのです!

そして、その企業内教育の中でも、もっとも適当に実施されている「新人の教育」に適用すれは「ID」いうところの「効果」と「効率」をともに成立されやすいのではないでしょうか? (「魅力」は微妙ですけど、、、ね)

 

メールで課題の指示を出して、その課題をクリアするために新人は自分で「学び」、知識とスキルを習得していく!

 

ね! ピッタリだと思いませんか?

 

しかし、企業の教育担当者が上記の本を読んでも、「ああ、熊大ではこんなことやってたんだ?」、「へぇ、面白いね」で終わってしまうのが大半でしょうね?

 

それを、「えっ、これってうちの新人教育でやったらすごく効果でそうじゃない!」とか、「ご講演座学や動画ラーニングやるより、自分で学ばせるって、教育として本来の形だよね?」って、方向に変えたいのです、、、、。

 

では、今日はこの辺で。