アカデミアの先生にはわからないこと(研究と実践の乖離)の最後に、共同研究に感じた内容を記します。共同研究の内容についてはまたの機会に、、、
数年前、仲のいいアカデミアの先生と「共同研究」を行いました。「共同研究」とはいっても、ほとんどはこちらが相談し、先生に回答をいただくというもので、まぁ「共同研究」というよりは「Q&A」みたいなものでしたが、、、
今から思うと、先生のおっしゃってる回答はほんとに素晴らしく、正論で、正解だったのですが、残念ながら「企業内教育」においては、それを実行する環境がないということです。
前回も書きましたが、企業内(どこの組織でも同じでしょうが)には「シガラミ」や「環境」、「状況」、「関係性」、「力点」等があり、たとえ正論で正解であったとしても取り入れることが非常に難しということがあります。
教育に「差」をつけてはいけない、「全員」同じで、「平等」に、と教育担当者はかたくなに主張します。
そして何より自分たちが「教える」ことに固執します。
企業の教育担当者は「教えたい」のです!
そうです、学校の先生たちが「教えて」いたように、、、、
IDにしてもPSIにしても公文式にしても、成果を出せる教育理論・方略はアドバイスやサポートはしますが、「教える」という行為を排除しています。
「教育」は「学習」の支援、だからです!
しかし、「教育」をわかった気になっている企業の教育担当者は、自分は小学校から大学まで教育を受けたつもりになっているため、「教える」ことから離れられません。また、その人たちの上司も「教えない」ことは、教育担当の「仕事」をしていないことだとみなします。
あまりに残念な「負のループ構造」です!
そこで、アカデミアの先生にはわからないことです。
・「仕事」として評価される「教える」人たちが存在する
・「仕事」として、「教える」人たちを評価する人たちが存在する
・「成功」すれば自分の成果、「失敗」すれば他人の成果
という事実。
これはいい加減な「教育コンサル」も同じですね。
この状況を改善するには、前にも記しました、企業側の状況、アカデミア側の認識をともに理解できるGLUE的な人材の必要性です。
このGLUEは、「教育コンサル」では務まりません。企業の本当の状況がわからないのでアカデミアの先生と同じ認識になります。
こういったことを改善しなくては、いつまでたっても「研究と実践の融合」などということは実現できないと思っています。
などとネガティブなことばかり記していますが、それでもアカデミアの研究や理論や思考は非常に有効で、意味がありますし、匙加減によっては劇的に企業の教育が成果を出せると信じています。
では、最後に先生から教えてもらった面白い「理解」に関する漫画で〆ておきましょう!