「言語情報のテスト」と「知的技能のテスト」について少し記します。
学習評価をする場合、これはとても重要なことなのですが、ほとんどの場合あまり認識されません。
ガニェのところで「学習成果の5分類」で記しましたが、
・言語情報
・知的技能
・認知的方略
・態度
・運動技能
のうち、企業内教育の教育によって行われる学習の評価は、「言語情報」と「知的技能」が中心になります。これは、一般的な「受験対策」や「学校教育」についても同じです。
・言語情報・・・「それ」または「何か」を知ること(記憶)
>記憶できたかどうかの評価
・知的技能・・・知識を応用すること(記憶をベースに応用)
>知識を応用して使えるかの評価
では、「言語情報のテスト」 から考えていきましょう!
「言語情報のテスト」は、e-Learningで、説明動画の単元の次によくある確認テスト(こんないい加減な名称をよく使うなぁと思うのですが)として出題されます。
「これまで知らなかった情報、事実、知識の学習評価」
を問うテストですね。
(サンプル)
問1)“学習する組織”の“3つの柱”で正しいものをすべて選択しなさい。
1.「志の育成」には、「メンタルモデル」、「共有ビジョン」がある。
2.「共創的な会話の展開」には「自己実現(マスタリー)」、「メンタルモデル」がある。
3.「複雑性の理解」には、「チーム学習」がある。
こんな感じです。
こういうテストは、”記憶”していなければ解けない問題です。
「学習」には、まず第一に”記憶”が必要になります。だって、
”記憶”がないのに”応用”などできるはずなどありません!
よく、受験受験の「学校教育」を「詰め込み」とか「記憶だけの教育」なんて非難する人たちがいますが、”記憶”がないと何も次の展開はないということが全く分かっていない人たちの”戯言”です。
では、「知的技能のテスト」に行きましょう!
「知的技能のテスト」のテストで、もっともわかりやすいのは学校の数学のテストですね! 方程式を記憶して、それを応用して答えを出すというものです。
「弁別、概念、ルール、問題解決の学習評価」
しかし、これが評価できる問題を企業内教育ではまず出しません。
それは、教育担当している人たちが、”記憶のテスト”しか「教育」だと認識していないからです。
社会において本当に必要問いは、
・仮定の新たな状況において、学習者の判断を求める
・何故、その判断を行ったかの理由問題を設定する
であり、想定しない状況への適応、応用力が必要なのですが、、、、
まぁ、簡単な結論としては下記のようになります。
「言語情報のテスト」 と 「知的技能のテスト」のどちらを 作成するかは、各コンテンツの学習目標によります。
しかし、企業内教育においては、現場で使用できる知識 やスキルを習得(教育、学習)する必要があります。
よって「知的技能のテスト」が有効な場合が多いです。 現場で資料を見て対処できるような内容を記憶する必要 はありません(どの資料のどこに記載されているかを認識 できていればいい)。
ということです。
まずは、「言語情報のテスト」で、”記憶”できているかを確かめて、「知的技能のテスト」で”応用”できるかどうかを確かめましょう!
そして、その際、重要なのは前にも記しましたが、企業内教育は仕事に活かすものなので、
「集団準拠評価(相対評価)」・・・順位付け、平均、偏差値
ではなく、
「基準準拠評価(絶対評価)」・・・到達点をクリアすれば合格
です。
学校での成績付けや、入試ではないので、すべての学習者が合格を目指す必要があります。
学校テスト、入試問題からの脱却を考えましょう!