louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「形成的評価(Formative Evaluation)の重要性」~今日から歩く道をかえてみよう~

「形成的評価(Formative Evaluation)」について少し、、、

 

教育プロセスには3つ評価があって、以下のようになります。

 

1.「診断的評価」

2.「形成的評価」

3.「総括的評価」

 

「診断的評価」とは、

前もって学習者の実態を把握し,それに合わせた指導計画を立てるための評価で、教育デザインを決める前に「診断テスト」を行い、その結果を評価し、方略、レベル分け等を決めることです。

 

「形成的評価」とは、

教授活動を通して学習者がどの程度理解したか? を確認するための評価(教育過程での評価)。インストラクション後に、「事後テスト」を行い、その結果を評価し問題があれば、デザイン修正することです。

 

「総括的評価」とは、

最終的な目的が達成できたかどうかの評価で、全インストラクション後に、成果として達成したかどうかの評価です。

 

もちろん、3つともちゃんとやらないと、教育としては成り立ちません。その中で今回は、「形成的評価」について説明します。

 

3つの評価を図にするとこんな感じになります!

教育の3つの評価

e-Learningで、単元を細かく分けその都度「事後テスト」を行うというのはテストが真正であれば、「形成的評価」にあたります。

学校教育でも、少しだけ教育について考えている「先生様」がいるところでは、授業の終わりに学習の成果を評価するようなことをやっているでしょう? まぁ、1時間も「ご講演座学」をやって、記憶をテストしても意味はないんですが、、、、

しかし、やらないよりはマシですね。

 

でも、問題は、その後、、です!

形成的評価の後

企業内教育で成果が出ない1つの原因は、「形成的評価」はするが、その後は放置というのがあります。要は、「やりっぱなし」なんですね。

 

ブルームは、通常の教育プロセスならば、「形成的評価」の結果により知識・スキルを習得していない場合、下記の4つの方略で対処することが重要だと言っています。

 

・再学習型・・・目標水準に達していない場合、その学習ユニットを繰り返す

・補充学習型・・・未到達な部分のみに手当をする

・先行調整型・・・次のインストラクション自体を変更する

・学習分岐型・・・個別、類型的学習系列を準備する

 

つまり、習得できなかった学習者には「教育デザイン」を修正する必要があります。

 

教育デザイン

企業では(学校でも)、すべてインストラクションをおこなえば、学習者はその内容を習得したものとして次のインストラクションに移ります。

これは、「教育デザイン」ではなく、、

 

単なるスケジュールです!

 

まず、99%の日本企業の教育は、「スケジュール」だけです。

(それは、経営層も教育担当者も「教育デザイン」なんて考えていないからです)

 

一部の先進的な教育制度の学校では、これまでの制度(デザイン)を変更し、「中間テスト」「期末テスト」を廃止し、その代わりに「各授業の途中、終了後に小テスト」を行い、(基準に満たなかったものは、満たすまで再テスト等)ポートフォリオを作成→単位認定ということも行われています。

「形成的評価」で教育デザインを修正し、各単位の集計で「総括的評価」とするというのは「完全習得学習」につながります。

 

とはいっても、現実はそうはうまくいかないのですが、、、、

ブルームは「形成的評価」後のインストラクションのリデザインにより「完全習得(100%)」を目指したが、実験では95%という結果を出しました。

「完全習得」については、目標とすることは勿論だが、現実的には時間や様々な制約があるため、 各教育の一般的な成功の数値は90・90とされている(90%の学習者が、90点以上) 。

 

くらいは、目指さないとプロではないですよね?