louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

フィードバックの作法 ~ 先生様にはわからない? ~

フィードバックの作法について記します。

 

フィードバックとは、「相手の行動に対して改善点や評価を伝え、軌道修正を促すこと」というような定義がありますが、正しい事案については、特に「軌道修正」を促す必要なんてありません。「正解です!」でも、「合格!」だけでもいいんです。

 

何か、フィードバックは”間違っている時にだけ”行われることのように考えている人が多いですが、そういうことでは決してありません。


例えば、「アンケート」についてのフィードバック

 

ここでありがちなのが、「一部の目についたアンケートのみにフィードバックする」

 

これは完全にダメなフィードバックです。

 

前にも記しましたが、


 アンケート(レポート)とフィードバックはセット!

 

です。

 

アンケートやレポートの場合には全員に、なにがしかのフィードバックを行うことが基本中の基本です!


なぜ全員にフィードバックが必要かというと、人は誰もが「承認欲求」を持っています。
マズローの階層は、いい加減で、多分間違っているので気にしないでください!)
マズローの階層の図を出してくる研修があったら、即座に帰りましょう!)

こんな図がでてきたら注意!

よく考えてアンケートに答えたり、レポートを提出したのに、コメントさえ戻ってこない、、、、場合、絶対にもうやりたくない! ってなりますよね?


次に、フィードバックの「マイナス効果」、「即時性」、「正確性」、「厳しさ」について、


・フィードバックの逆効果(マイナス)

    >38%以上の事例において、フィードバックがマイナスの
      影響を与える

    >「称賛」フィードバックは、その後の学習に有害となる

    >学習者個人に対する評価(「賢いね」「しっかりしろ」等)
      としてフィードバックしない(人としての評価)

 

・「結果」「情報」「修正」のフィードバックを行う

 

・「即時性」が必要だが、早すぎると「受動的」になる


通常、フィードバックは「即時性」が重要と思われがちですが、学習者自身で考える(振り返る)という段階を経た後のフィードバックが効果的です!

 

どうせすぐに助け舟が出ると考えてしまうと、自分で考えるという行為を人はしなくなるからです。


また、よくビジネス系の研修等では、「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」を使い分ける、、、なんていうことがいわれますが、通常は深く考える必要はありません。

 

要は、完璧な答えや意見、レポートについては「OK!」、それ以外(つまり完璧ではないもの)については論理的に感情をなくして、何が間違っていて、何が足りなくて、どのように考えるか、、等をフィードバックすればいいのです。


学校でも、企業でも、フィードバックがあまり行われていないのが現実です。

 

なぜか?

 

 「面倒だから」、、、、です。

 

教授側が「面倒だから」という言葉を使うことは、「教育の放棄」だと思います。


以前、熊大の先生を講師に招いてインストラクションを行っていただいたことがあります。その際、最後にフリーフォームのアンケートを取りましたが、1週間後に「全員」のアンケートに対するコメントを送っていただきました!

 

それぞれコメントの内容も的確で、さすがにレベルが違うな、、と感じました。
(それで、少しでも恩返しをしようと共同研究をおこなったのですが、、、)