今日は、備忘録としてのこのブログの100件目という節目なので、「教育」や「思考」について影響を受けた4冊の本について紹介します。
どの本もポピュラーなものなので、既に読んだ方も多いと思いますが、もし持っていたら再度読み返してみて下さい。一度目より二度目、二度目よりも三度目に読んだ後の方が理解も考えも深まってきます。
私はこの4冊をそれぞれ5回くらいは読み返しています。
正直、どれも一度読んだだけの時には、大した感動もなかったですし、難しくて著者の意図していることがほとんどわかりませんでした。
しかし、二度目、三度目と読むごとに、「あぁ、なるほど!」とか「そういうことか」という風になっていき、勿論、すべての内容がわかっているわけではありませんが、自分なりにアウトプットできるようになってきたのではないかと思っています。
実は、もっと早くこの4冊に出会っていれば、、、という後悔もあるのですが、、
それはそれとして、早速紹介に進みます!
「インストラクショナルデザインの原理/ロバート・M. ガニェ, キャサリン・C. ゴラス , ジョン・M. ケラー, ウォルター・W. ウェイジャー」
インストラクショナルデザインという言葉を知って、まず最初に買った本がこれです。
鈴木先生監修の「教えること」「教育とは?」「学習とは?」ということのほとんどがこの本の中に詰め込まれています。
いわば、私にとっての「バイブル」です!
日本の教育界においては、ガニェ派とブルーム派に二分されている感はあるのですが、この本は鈴木先生の師であるガニェの教育理論について書かれたものです。
先ほども記しましたが、一度読んだだけでは、なかなか難しい本ですが、読み返すたびに「そうだよなぁ!」と思える素晴らしい内容です。
鈴木先生の著書も含めて、インストラクショナルデザインの本は数多く出版されていますが、もし「教えること」や「教育・学習」に少しでも興味のある人には必読の書です。
特に、「第1章 インストラクショナルデザイン序論」と「第3章 インストラクションの成果」を中心に読むことをお薦めします。
インストラクションにおいて最も重要なことは「真正な学習目標」を立てられるかどうかということです。そのことを念頭において読むと、これまで受けてきて「教育」だと思っていたものが「教育でも何でもなかった」ことに気づきます。
ただ、この本の影響(?)で、「インストラクショナルデザイン=ADDIE」ととらえる人が多く出てきて、インストラクショナルデザインの普及が違った方向に行ってしまったという気もするのですが、、、、
元熊大の平岡先生も「この本は難しい、、、」とおっしゃっていましたが、確かに三回、四回読んでわかる内容かもしれませんね?
そういう意味では、まず鈴木先生の本「最適モデルによるインストラクショナルデザイン: ブレンド型eラーニングの効果的な手法」や「研修設計マニュアル:人材育成のためのインストラクショナルデザイン」、「教材設計マニュアル : 独学を支援するために」などを先に読んでからこの本を読めばいいかもしれません。
「ファスト&スロー/ダニエル・カーネマン」
この本は、世界的超ベストセラーなので読まれた方も多いと思うので、解説など不要ですね?
システム1とシステム2、、、どれだけのビジネス書がこの本の引用をしていることでしょう、、、(リンダ問題もね)
自分にとっては、行動経済学という面でいえばリチャード・セイラーの方がピンとくるのですが、人の「心理」ということを解説した本ではこれ以上のものは無いように思います。
そうです、「直観は間違える」んです!
この本を読むまでは、「心理学」なんていうものは「眉唾もので、いい加減で、個人によって違うだろう!」などと思っていましたが、この本と出会って180度考えが変わりました。
そして、ロジカルに考え、数値として物事をとらえることは、「教育」や「人材育成」に「ビジネス」とっても非常に重要なことで、KKD(勘・経験・度胸)を排除しなければ何も変わらない、、、という正論にたどり着くきっかけとなった本です。
「学習する組織――システム思考で未来を創造する/ピーター・M・センゲ」
これもまた世界的超ベストセラーですね!
「システム思考」や「ディシプリン」という言葉は一時期トレンドになったので、ご存じの方も多いでしょう?
日本企業のトップの人たちも「トレンド」に乗ろうと、よくこの本のことを話題にしていた記憶があります。
この本も、まさに「正論」です。
「システム思考」「自己マスタリー」「メンタルモデル」「共有ビジョン」「チーム学習」
正直なところ、この本の内容は”日本企業の経営層には難しすぎる”と思います。
5つのディシプリンをそれぞれ1冊ごとにして編集すればよかったのではないでしょうかね?
因みに、私はこの5つの中で「自己マスタリー」こそが「学習する組織」の真髄だと考えています。
「個」があっての「組織」ですからね、、、
興味があれば、この著者(センゲ)の師匠であるロバート・フリッツの本も合わせて読んでみて下さい。
「世界はなぜ「ある」のか?:「究極のなぜ?」を追う哲学の旅/ジム・ ホルト」
なぜ何もないのではなく何かがあるのか、、、、
この本は、他の3冊とは違って、「哲学」について考えるきっかけとなったもので、正直なところ「完成された本」ではありません。
しかし、漠然と日常を過ごしていた私に「哲学」というものも結構おもしろいかも? と思わせてくれました。
実は最近は「哲学関連」の本ばかり読んでいるのですが、、、、
この本は非常に読みやすいので、何かに戸惑っていたり、つまずいていたり、変えたいと思っている人は是非手に取ってみてください。
「哲学」というものは難しそうで、、、と思っている人は、この本を読んでから「ソフィーの世界」にすすんで、、、、みれば身近に感じられるかもしれません。
”「哲学」から「科学」となっていく”
という考えに気づくことはとても大事なことだと思います。
ということで、この4冊以外にも大きな影響をうけた本は何冊もあるのですが、それらについてはまた紹介しようと思っています。
100件をどうにか終えたので、次は200件を目指していこうと、、、(ほんとか?)