louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「シミュレーションへの過大評価」について

今回は、「シミュレーションへの過大評価」について、少し考えてみます。 最も適用されている分野としては「医療」分野ですね? 全世界的に、医師や看護師といった ”命を左右する” 職業の教育では、”シミュレーション”を含んだ教育が提供されます。 また、一…

「Coursera」の努力?

ニュースで、 「Coursera、4,400の講座を日本語に翻訳し、日本の学習者に向けた新しいAI機能を導入」 というのが流れてきました。 今回は、「MOOCsの根本的な弱点」について再考してみます。 何度も記していますが、 「オンライン教育 ”最大の” 失敗事例」 …

「GROWモデル」の対象者について

今回は、スターバックスなどが社内教育制度に取り入れて有名になった「GROWモデル」について少し考えてみます。 GROWモデルは、1980年代にビジネスコーチとして知られるジョン・ウィットモアによって考案。競技スポーツの経験から、ビジネスコーチングの手法…

「統合情報理論(IIT)」と「教育・学習」について

「意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論:ジュリオ・トノーニ , マルチェッロ・マッスィミーニ」をかなり前に読みました。 まだまだ研究の初期段階のようにも感じますが、今後の世界ではこのような理論や考え方が多く出てくるようにも思います…

フランク・ザッパのコトバ

フランク・ヴィンセント・ザッパ(Frank Vincent Zappa、1940年12月21日 - 1993年12月4日)は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター、マルチプレイヤー、作曲家、編曲家、バンドマスター。 「一番好きなミュージシャンは?」 と訊かれれば、 「フランク…

「学習環境デザイン」について思うこと

「学習」する「環境」を整えることが非常に大事であるということがよく言われます。 「学習環境デザイン」とは、 学習者を「能動的に学ぶ存在」として捉えながら、学習環境を「活動」「空間」「共同体」「人工物」という4つの要素に分解し、それぞれを結びつ…

「好きな教科・嫌いな教科」情報提示の大きな影響(?)

先日、某教育関連企業のアンケートで、小中学生の「好きな教科」と「嫌いな教科」なんていう記事が目に留まったので、ほとんど意味はないですが、このことについて少し考えてみます。 アンケート結果としては、 (小学生の一番好きな教科) 1位「体育」 2位…

「GBS(Goal-Based Scenario)」について ~ 「学習目標」を提示した方が”いいのか?””よくないのか?”論争 ~

誰も論争をしているわけではないのですが、、、、 自分の中で少し引っかかるところがあった為、 今回は、「学習者」に「学習目標」を提示するか、しないか、と「GBS(Goal-Based Scenario)」について考えてみます。 インストラクショナルデザインの基本的な…

「教員不足」について考える

ここ10年くらい(?)、「教員不足」だとか、「教師の成り手がない」とか、「学校はブラック」、、、というようなことが常に言われています。 そこで、今回は、「教員不足」について、少し考えてみます。 「教員不足」の原因については、2つの ” 目線 ” …

「デジタル教科書」の導入についての”無責任な”考察

今年から、” 全ての小中学校等を対象に、小学校5年生から中学校3年生に対して英語のデジタル教科書を提供 ” されるということです。 ということで、今回は、”「デジタル教科書」の導入”についての考察をしてみます。 「GIGAスクール構想」により、ほぼ一人一…

「多様性・公平性」と「効果的・効率的な教育」の両立問題について ~ 発展させた公文式 ~

前回、” やはり(PSI(個別化教授システム(Personalized System of Instruction)しかない、、” という内容を記しましたが、 現実としては、「PSIは難しい、、」ということも十分に理解しています。 PSI やアダプティブ・ラーニングは、「教育・学習」の最…

「Learning Difference(ラーニング・ディファレンス)」

通常、LDというと「Learning Disabilities(学習障害)」を意味しますが、それとは少し違った捉え方、対象者について「Learning Difference(ラーニング・ディファレンス)」という考えがあるようなので、このことについて少し考えてみます。 (ラーニング…

「レジリエンス(resilience)」と「教育」

今回は、「レジリエンス(resilience)」と「教育」について考えてみます。 (レジリエンス)とは、 人や組織が困難や逆境、ストレスなどに直面したときに、それを乗り越え、適応し、さらには成長する能力。 心身の健康、精神力、柔軟性、問題解決能力、社会…

「フィンランド教育」の幻想

前にも少し記しましたが、相変わらず一部で「フィンランド教育」が絶賛されていることが多いので、少し考えてみました。 フィンランド教育の特徴は、 ・宿題が少ない ・授業中の発言回数が多い ・グループワークが多い ・語学の授業は、話すのがメイン ・教…

「デザイン思考」は世界を変えたか?

今ではあまり頻繁に語られませんが、数年前まで「デザイン思考」がありとあらゆる分野で取り上げられていました。 「教育・学習」の分野でも、学会や論文で多く扱われていました。 確かに、「教育・学習」に役立つことや、共通の内容も多いですね? そこで、…

「知識のレイヤー」と「スキーマ習得」

”学習” して得られる”知識”というモノは、通常「レイヤー(層)」として考えられていて、ベースとなる「背景」の上に「各パーツ」の層を重ねていきます。 そして、「背景」「各パーツのレイヤー」を ”知識” として記憶します。 Photoshopで、画像を作ってい…

「望ましい困難(desirable difficulties)」への少しの疑問 ~ もっともな話なのだが ~

”「望ましい困難(desirable difficulties)」への少しの疑問 ” というテーマで考えてみます。 「望ましい困難(desirable difficulties)」は心理学者である Robert A. Bjork などが提唱したもので、 ・「脳に適度な負荷をかけて学ぶことにより、長期的には…

「IKEA効果」と「手書きノート」の関係について

認知バイアスの一つである、「IKEA効果」と、「手書きノート」の関係について考えてみます。 まず、「IKEA効果」とは、 ・自分で組み立てたり、作ったりした製品に対して過剰に価値を感じる心理現象のことを指す。 ・スウェーデンの家具メーカー「IKEA」から…

インストラクショナルデザイン(”あたりまえ”のことを、”あたりまえ”にやる理論)再再考

「インストラクショナルデザイン」に出会って、もう10年近くになります。 ブログ ”200投稿記念(?)” として、あらためて「インストラクショナルデザイン」について考えてみたいと思います。 備忘録ですから、そんなにペースを上げなくてもいいのです…

「学びのサスティナブル化の議論」は継続されているのか?

SDGsが世の中に出てから、「サスティナブル」だとか「持続可能な」というコトバがあらゆる場面で口にされます。 トレンドを取り入れること(?)が使命の「教育・学習」においても、 当然のように「学びのサスティナブル化」だとか、「継続的な学び」、「持…

「学習者が個人差(自分)を受け入れる」という ” 夢想 ” について

人間は一人一人違います。 その簡単な認識さえあれば、「学習者」も一人一人違うということに気づくはずなのですが、「教育」という世界においては、「教える側」の合理性や効率といったものに重きが置かれ、今現在も、集団に向けた”伝承術”を行っている場合…

「アバター」や「字幕」を使った ” e-Learning コンテンツ ” について

一昔前の ” AI搭載LMS ” などでは、よく映像での解説に「優秀そうなアバーター」が使われることがありました。 今回は、「アバター」、それと「字幕」を使った ” e-Learning コンテンツ ” について 考えてみます。 一般的な映像のe-Learning コンテンツでは…

「課題」と「問題」の再考察 ~ コトバの意味 ~

「課題」と「問題」を混同してしまっていることはないでしょうか? 前回の「教育」と「学習」の混同の流れで、今回は「課題」と「問題」について考えてみます。 何も考えていないと、 「課題」=学校で出される宿題や問題 「問題」=企業で解決しないといけ…

「教育の合理性」について ~ インストラクショナルデザインを学ぼう! ~

「合理性」 ・ 道理にかなった性質。論理の法則にかなった性質。・ むだなく能率的に行われるような物事の性質。 要は、「理にかなっているか?」 ということで、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどの文脈では頻繁に使われますね? 何をやるに…

メリルの「IDの第一原理(First Principles of Instruction)」 ~ きほんのき? ~

原点回帰、今更ですが、、ということで、 インストラクショナルデザインの基本中の基本である、 「メリルのIDの第一原理」 について考えてみます。 (私的には、「メーガーの3つの質問」の方が好きなのですが、、、) 「IDの第一原理(First Principles of …

「GPTで学習教材やテストを生成する」というトレンド

大学や教育関連企業で今盛んに取り組まれているトレンドに、「生成AIを使って学習教材やテスト問題を作成する」というのがあります。 ということで、今回は「GPTで学習教材やテストを生成する」ということについて考えてみます。 ”ChatGPT”が出てきて、”AI(…

「学習の継続性評価」について ~ 日本の大学の成績証明書 ~

新入社員採用時、学生時代の成績を評価する企業は非常に少ないのが現状です。 一応、「成績証明書」を出してもらうものの、ほとんど参考にされないのが実情のようです。 「成績証明書」の内容の信用性等については後で触れますが、”意味不明の入社試験”や”面…

LXP(Learning Experience Platform)が企業で役に立たないわけ

コロナをきっかけとして、企業においても「オンライン学習」の需要が再度高まり、そんな中で「リスキリング」というトレンドにも押されて、LXP(Learning Experience Platform)というシステム(?)が注目されたことがありました。 今回は、”LXP(Learning …

教育が「科学」であってはならないのか?

インストラクショナルデザインはもとより、様々な教育・学習理論、手法、システム、思考が世に出るたびに、 「教育は科学である!」 という人々と、 「教育は科学であってはならない!」 という人々の間で、常に論争が毎回起こります。 今回は、「教育が「科…

「眠る授業(研修)のススメ」

授業や講義、研修などで「眠る人」っていますか? 多分、学校でも企業の研修でも必ずいると思います。 そういった場合、「教える側」はどうすればいいでしょう? そこで、今回は、「眠る授業のススメ」というテーマを立てて考えてみます。 まず、なぜ「学習…